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ドイツ在住経験者が語る、ドイツと日本の比較ポイントとは?
- ドイツの物価は日本に比べて安価で、特に不動産価格が魅力的です。飲食や医療、教育、娯楽などの生活費も比較的低く抑えられています。
- ドイツの気候は夏は涼しく快適で、冬は寒いですが日本と比べると穏やかです。海外旅行を楽しむ上でも、ドイツと日本双方の観光地が魅力的です。
- ドイツでは充実した行政・教育・医療・買い物サービスが提供されており、利便性が高いと言えます。
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在住と言えるほど住みついたわけではありませんが、かなり長期間生活をしたことはあります。あまり回答が集まらない様子ですので、もっと経験豊かな方からもっと正確な回答が集まることを望みながら、勝手に自分なりの感想を書かせていただきます。 1.物価(不動産、飲食、医療、教育、娯楽) 都市部では、日本の都市と比較する際に、たとえば通勤距離だとか通勤手段、生活環境、ライフスタタイルといった基本的な面で大きな差がありますから、一概に同列で答えを出すことが難しいものですが…。 ・不動産…、 売り家、賃貸物件、ともに直接自分で物件探しをしたことがありませんが、不動産屋の店頭の貼り紙を見る限り、日本ほど高くはないものの、やはり条件次第ではそう安くないといった感想を持ちました。ただ、通勤が楽で、物件そのものの質も高く清潔で環境もいい…といった面ではフランスのパリよりも優れていると思いました。 ・飲食… なにを食べるかにもよりますが、食品、ことに生鮮食品は安いです。また、外食も日本ほどは高いとは思いません。 ・医療… あまり詳しくありません。一度、開業医の診察を受けたことがありますが、保険でカバーされていたため、料金にあまり印象がないためです。また、アポテケ(薬屋)で買う市販薬については日本とほぼ同程度かなと思いました。 ・教育… この面ではまったく知識がありません。 ・娯楽… なにを娯楽として楽しむかによると思います。宵のひと時を野外のコンサートでクラシックを楽しむ…などという娯楽であれば、無料か日本で考えられないほど安く感じます。博物館なども多く、無料かとても安い料金で観覧できます。日本のように「手を触れないでください」などといったケチなこともありません。ただ美術館についてはパリに大きく水を開けられていると感じました。軽いスポーツなども盛んですが、当然のことながらパチンコ、競輪競馬といったものはありませんが、意外なのは、ピンク系スポットは方々にあります。 2.気候 昨今の異常気象は別として、一年中を通じて日本ほどには大きくは変化はなく、夏場でもエアコンもそれほど欲しいと思いません。ただ、冬は寒く、陰気で暗く、しかも地方によっては湿度が高いといった、気の滅入る感じになります。まだ、全体に東京から比べると気温は低く湿度も低いです。 3.国内旅行をする上での魅力(日本とドイツそれぞれの観光地) まず特筆すべきは、大きなホテルから小さな居酒屋兼旅館といったところまで、全般的に清潔で利用しやすいこど挙げられます。魅力についてはひと口で言い表せませんが、旅行案内書に紹介されているよう観光地はたしかに魅力に富んでいます。ドイツの場合、あまり客引きだとかしつっこい物売りの姿なども少なく、気持ちよく観光が出来るところがさすがドイツだと思います。 また、旅行案内書に紹介されているよう観光地ではないところ、こうしたなんでもない町々にもとても魅力に富んだスポットがあるのもドイツならではのことです。そして、こうした町では、道ゆく人とちょっと言葉を交わすと、彼らがとても親切で暖かい人たちであることを感じて嬉しくなるものです。 4.各種サービス(行政・教育・医療・買い物) ・行政… こちらもまたお役所仕事的、たしかにドイツらしく、パリなどから比べればはるかに合理的でシステマチックであることは感じます、ですがそのわりには非能率的、そして頑固。結果的にけっこう時間がかかってしまうのも何処も一緒。ある意味、最近の日本のお役所のほうが、テキパキとしているし、なによりも笑みをたたえた応対も好ましいと思えたりします。教育・医療・これらについては前述の通りです。 ・買物… 店では、前の客が去るまで次の客は応対してもらえません、これがヨーロッパ式です。また、店員の背後の棚に並べられている商品を、ただ見るだけ…という日本では当たり前のことも、わりに嫌われたりします。その他はほとんど日本と変わりません。店員さんには最初は冷たい感じを受けますが、ちょっと馴染みになると、あれで結構人懐っこい感じに変わります。 5.購入可能な物品 大都市であれば、ことにデパートなどでは、日本ほどではないけれど大概のものは手に入ります。日本の食材や調味料なども手に入りますが、日本製のカップ麺だけはやや高過ぎる気はしました。 生活用品や生鮮食材は比較的安く、ことに市場で買い求める野菜や果物のお値段は、1個140円もするトマトを食べている日本人には信じられないほどです。 ただ、ファッションものの衣類、ランジェリー類、これだけは頂けません。 6.生活環境 日本と違って、誰もがどこか落ち着きをもって暮らしていると感じます。若者でさえ、ファミコン遊びで家に閉じこもるでもなく、誰もがゆったりとしているように感じます。もちろん、それぞれ政治や行政などに満足しているわけでもない、でも不満は不満、大方は日本よりはずっと地味に、贅沢を好まず、着実に過ごしているように思います。 あとはこちらの出方次第、気さくに接すれば、彼らもとても暖かく接してくれます。パリで感じるほど底抜けの陽気さでもなく、アメリカで感じるほどお節介でもない、わりに住みやすい気がします。 7.景気動向 あまり良いとは言えない昨今です。ヨーロッパ圏の根強い構造不況、ドイツにはEUのリーダーとしての責任が今は大きくのしかかっています。トルコ系をはじめ移民の流入過剰とドイツ人の失業率の高さも大きな社会問題となっています。天文学的なまでの借財を抱えながらも、表向きはあきらかに日本の方が豊かな錯覚を覚えます。こうした根深い不況、回復にはまだ長い年月を要することでしょう。 8.労働環境や働くことに対する価値観 基本的にはそう変わらないように思います。ですが、全体的な傾向ではないにしても、自分の仕事をこよなく愛し、誇りを持ち、楽しんでいる…と感じる人が多いのは、ヨーロッパ、ことにドイツで強く感じます。その背景に、やはりマイスターの感覚が強く作用しているように思います。大卒優先の日本と大きく違うのが、こうしたマイスター制度の浸透、そしてマイスターへの敬意、羨ましく思います。 9.国力 ドイツと言えば、世界に名だたる工業立国であり、イメージでは米国と相対する先進国といった感覚を感じてしまいます。ですが、ドイツも国家経済の面ではさほど豊かと言えないのが実情のようです。細かで正しいテータは持ち合わせていませんから、検索などで調べて頂くとして、ただわたし自身の感覚で言えば、多くの問題を抱えているドイツという国、なのに、どこか落ち着きも感じるのです。けっしてお父さんの収入が十分とはいえない家庭、でも、家族が適度に質素に、そして清楚に、贅沢は慎みながら暮らしながら、でも、なにか特別な日には思いっきり華やかに一日を楽しむ、そんな家庭を思い浮かべる気がします。 10.空間としての余裕 ドイツは乱暴に言えば北部と南部に分けられるように思います。詳しく語るほどの知識があるわけではありませんが、ゲルマン系の血筋を踏襲する北ドイツ、そして、まるで血筋が異なる南部のハバリア地方、彼らは考え方や文化の差異を見せています。日本でも良く知られたメルツェデス・ベンツ、その合理的で無駄のない堅固な作り、高品質な実用車、これこそが北ドイツの旗印、一方の旗印は、これまた良く知られたBMW、そのイニシャルにある通りババリアのクルマ。ベンツとは違って、大らかでヤンチャで活気にあれて見えます。 国土が平であればなにかと便利なのでしょう。ですが、ドイツもまた「黒い森」の枯死と荒廃の問題や山岳地域の汚染、ライン川など国際河川の水質汚染などとたくさんの問題を抱えています。 11.ドイツの最も素晴らしいと感じた観光地とその理由を最後にお願いします。 ごく一般的には、やはり、今大人気のあるロマンティシュ・シュトラッセ でしょうかねえ。風光明媚な南ドイツ、そして中世の佇まいをそのままに残したその魅力、やはり人気の理由が分かる気がします。 ですが、たとえば、ハイデルベルクの大学周辺、ケルンの大聖堂、デュッセルドルフの旧市街、それほど大人気でもないこうした場所にさえとても魅力を感じます。
お礼
う~ん、長い時間かけてご回答を考え対応していただき有難うございました!!!非常に参考になります。