サマワのアラビア文字でのつづりは「スィーヌ(S)・ミーム(M)・アリフ(A)・ワーウ(W)・ターマルブータ(t)」です。
これだけだと「S-M-A-W-T」ですが、アラビア語では原則的に子音のみを表記し、母音は補助記号であらわします(普通は書きませんが、前後関係でわかります)。この場合はSとMとWのあとにそれぞれ母音aを補って読みます。ただし語末のターマルブータは通常読みませんから、標準的な発音は「サマーワ」「SaMaAWa」です。
したがってNHKの読み方が最も標準音に近いことになります(アラビア語は方言差も大きいのですが、ここでは標準アラビア語の場合について話を進めます)。
しかしアラビア語の長母音をすべて表記しようとすると、例えば「イラク」は「イラーク」、「バグダッド」は「バグダード」、「サダム」は「サッダーム」、「オサマ・ビン・ラディン」は「ウサーマ・ビン・ラーディン」です(ちなみに『イラーク』の『イ』や『バグダード』の『グ』は、のどの奥から強く息を出す音で、日本語にはありません)。「リビア」も「リービーヤ」、「サウジアラビア」も「アラビーヤ・サウーディーヤ」となり、少々煩雑ですから、長音を縮めて表記する日本語メディアが多いのも、やむを得ないかと思います。
お礼
アラビア語での詳細な解説ありがとうございました。 とても参考になりよく分かりました。 ありがとうございました。