野球好きのおっちゃんです
>なぜ200勝投手は出ないのか?
簡単です。単に「機会」が少ないからです。
「中3~4日」が当然だった昭和の時代から現在先発投手は「中5~6日」のローテーションで登板します。
すると年間で先発できる投手はおよそ25から、多くて30試合。
そして、ダルビッシュ級の投手でも勝率は7割前後。
自ずと年間勝ち星は18勝前後となり、200勝までは実働11~13年。
大卒で入団しても最短で30代前半までかかる計算です。
これを昭和の投手に当て嵌めると年間登板数は30試合から多くて35試合。
勝率を7割とすると20勝~25勝となり、200勝までは実働8~10年。
大卒で入団しても最短で30歳で達成です。
ただしこれはあくまで「計算上」の事。
実際ダルビッシュ級の投手なんて10年に一人出るか出ないかの選手ですから、実質的にはこのハードルを越えられる選手なんて極々稀です。
実際、ダルがいなくなって名実ともに日本を代表する投手になった楽天のマー君も、今シーズンは怪我で現在登録を抹消されています。
このように投手の200勝って近代野球では非常に厳しい数字なんですね。
翻って打者の2,000本安打ですが、一流とされている3割打者で年間150本前後の安打数です。
と、なると実働13年前後で達成できる数字です。
大卒で入団すれば30代半ばで達成できますが、稲葉、宮本、小久保の3選手の年齢を見れば分るように現代野球ではトレーニングやコンディショニング理論の発達で一流打者なら30代後半まで現役というのも決して珍しくなくなりました。
昭和の時代、35歳を越えて現役でスタメンを張る打者なんてほんの一握り。
あの長嶋茂雄選手でさえ引退は37歳。それで2400本以上の安打数を記録しています。
昨シーズンから統一球が導入されて明らかな「投高打低」ですが、基本、野球というスポーツは「打高投低」がデフォルトなんです。
なんせ、打者はピッチングマシーンを使えば160kのボールを思う存分打ち込んで練習できますが、投手はそのような練習はできません。
ひたすら「自分の力のみで自分を高める」練習しかできません。
平たく言えば打者は「好きなだけ」打ち込みができますが、投手はそんな事したら肩や肘を故障してしまいますから、「量」を制限しなければなりません。
なので40歳以上のスタメンクラスは野手が数人いるのに対し、投手は山本昌だけ。
木田、下柳は全く活躍できていません。
稲葉、宮本、小久保の3選手の実績は素晴らしいもので、2000本を達成した(小久保はまだですが)という裏には彼等の普段の努力が合っての事。
その事実に何ら異議はありませんし、尊敬して止みません。
しかし、2,000本安打に比べて200勝のハードルが上がってしまっているのは事実です。