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WAISIII結果報告書について
- WAISIIIとは、心理検査の一つであり、結果報告書を受け取った人が質問をする必要があります。
- 結果は、言語性尺度と動作性尺度に分かれており、各テストごとの粗点、評価点、有意差などが示されています。
- また、VIQ、PIQ、FIQ、VC、PO、WM、PSなどの指数や差についても説明が必要です。
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臨床心理士です。 WAIS-IIIは、世界的にももっとも一般的に用いられている成人用の知能診断検査です。 受検されたのは、それを日本で、日本人に合うよう作成し、評価基準を作成した日本版WAIS-IIIです。 ご質問の順序とは異なりますが、以下、簡単に説明させてもらいます。 1.WAIS-IIIの構成 WAIS-IIIは、合計14種類の「下位検査」からできています。 これらは、課題の内容や、問題提示の仕方、回答方法によって、大きく、「言語性下位検査」と「動作性下位検査」とに分けられています。 ただし、以下の2.で説明するような指標を求めるに当たって、すべての下位検査を実施しなければならないものではありません。 適用年齢は、16歳から89歳です。 日本版は、2006年に出版されており、日本版のWAISとしては最新版です。 2.VIQ、PIQ、FIQ、VC、PO、WM、PS これらは、いずれも検査結果を示す「指標」です。 1)IQ まず、IQは、「知能指数(Intelligence Quotient)」の略語です。 WAIS-IIIでは、ご質問にあるVIQ以下、PSまでの指標は、いずれも、統計学的には、「標準得点」になっています。 つまり、一種の偏差値であり、ある年齢集団の中で平均的な成績を取った場合に、IQ=100、また、IQの散らばりを示す「標準偏差(SD、standard deviation)」は15になるようつくられています。 ちなみに、高校や大学の受験に用いられる偏差値では、平均の成績が50、SDは10になるようにつくられています。 元に戻りますが、VIQは、言語性IQ(Verba IQ)、PIQは、動作性IQ(Performance IQ)、FIQは、全検査IQ(Full IQ、または、Full Scale IQ、FSIQともいいます)をそれぞれ示しています。 VIQは、言語性の下位検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)、PIQは、動作性の下位検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組合せ)の得点を元に算出します。 ただし、言語性IQは、通常は、単語、類似、算数、数唱、知識、理解の6つの下位検査の結果を基に、動作性IQは、同様に、絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列の5つの下位検査の結果から求められます。 さらにFIQは、VIQとPIQとを合わせた結果に基づいて求めたIQで、被検者の方の全体的な知能の高さを示します。 なお、最近では、言語性・動作性という区分は、理論的、実証的根拠が乏しいと考えられるようになり、次で述べる「群指数」による解釈が中心となってきています。 2)群指数 VC、PO、WM、PSの4つは、IQよりもさらに細かい「能力」を示す指標で、「群指数」と呼ばれます。 それぞれの正式名称と、元になっている下位検査は次の通りです: VC(言語理解)……単語、類似、知識;理解、表現を含む言語能力 PO(知覚統合)……絵画完成、積木模様、行列推理;視覚や、視覚-運動に基づく近くや、認知の能力 WM(作動記憶)……算数、数唱、語音整列;思考、推理などを行うために、情報を短時間(数秒~数分)記憶する能力 PS(処理速度)……符号、記号探し;情報処理、思考などの処理スピード 3)IQ、群指数の見方 すでに述べましたように、両者とも、統計学的には、「標準得点」で示され、平均的な成績の場合、IQまたは群指数=100、標準偏差(SD)=15とされています。 IQも、群指数も統計的には、正規分布すると考えられていますので、85~115の間に、理論的には、68%あまりの人たちが含まれます。 また、WIAS-IIIのマニュアルでは、次のように段階区分されます: IQ/群指数 分類(理論的な比率) 130~ 特に高い(2.2%) 120~129 高い(6.7%) 110~119 平均の上(16.1%) 90~109 平均(50%) 80~89 平均の下(16.1%) 70~79 境界線(6.7%) ~69 特に低い(2.2%) なお、 >VIQ、99、144 では、99は、IQを求めるための下位検査の評価点の合計を、また、144が質問者様のVIQを示しています。 これは、以下のIQや、群指数においても同様です。 3.下位検査評価点 各下位検査は、それぞれで成績が求められます。 それを「評価点(SS、sccaled score)」と呼びます。 評価点も、統計学的には、標準得点ですが、平均=10,標準偏差=3となるようつくられています。 したがって、評価点=7~12に、正規分布の性質から、68%あまりの人が含まれます。 >単語、55、19、S、S これは、左から、下位検査名、粗点、評価点、有意差(2種類)を示しています。 単語の評価点は、19ですから、ここをご覧ください(粗点は、単純にどれだけできたかを示していますが、これは、年齢などによって成績が変動しますので、そのままでは結果の表示には用いません)。 右側の2つの「S」は、平均点に比べて、統計学的に有意に成績がよかった場合に、それを示すために付けられている記号です。 Sは、strength(長所、強さ)を示しており、成績がよいことを、また、Wが付けられているものもありますが、これは、weakness(短所、弱さ)を示しており、平均よりも点数が有意に低いことを示しています。 >数唱、25、14、-、W これは、数唱が、有意に弱いことを示しています。 「-」は、有意差が認められなかったことを示します。 2つ並んでいるのは、SとWの判定の基準に、全検査の平均を用いる場合と、言語性、動作性のそれぞれの平均を用いる場合とがあるからです。 質問者様の場合、どちらがどちらか示されていませんが、結果から見て、右側に言語性、動作性別の平均を用いた場合の結果が、左側は、全検査の平均を用いて比較した場合の結果が示されていると思われます。 なお、言語性IQと動作性IQの観点で解釈した場合には、下位検査の成績も、それぞれ別の平均を元に比較します。 また、群指数による解釈を採用した場合には、全検査の平均と比較することになっています。 言語性、動作性下位検査別の平均を用いた場合、質問者様については、単語、理解、絵画完成、符号がSで、有意に強く、一方、数唱と積木模様とがWで弱いと考えられます。 4.IQ及び群指数間の比較 最後に書かれています、次の点は、VIQとPIQ、また、群指数相互の間の比較を行った結果です。 >V-P、22、>、> これは、VIQとPIQとの間には、22の差があり、有意差が認められたことを示しています。 左側の不等号は、有意差の基準をp<0.15に、右側は同じく、p<0.05に設定した場合、有意差がどうなるかを示しています(「-」は、その基準では、有意差が認められなかったことを示しています。有意差の性質上p<0.05で差があれば、当然、p<0.15でも有意差があります)。 >VC-PO、25、>、> こちらは、言語理解と知覚統合の差を示しています。みかたは、VIQとPIQとの差の場合と同様です。 5.質問者様の結果について 徹夜明けの状態で検査を受けられたということですが、結果(IQ、群指数)から見る限り、非常に高い知能、能力を示していらっしゃいます。 したがって、このことから主治医の先生は、「それがそうでもない」とおっしゃったものと思われます。 事実、回答の中にも書きましたように、いずれも上位数%に含まれる結果が大半でした。 ただ、数唱が、質問者様の中で見る個人内差異としては、低い結果でしたので、こういう注意力を要する検査には影響があったかも知れないと思われます。 *「かも知れない」ということで、あくまでも影響があったとすれば、こう考えられるということです。 *また、数唱の評価点=14は、一般的に見れば、よくできていますので、「低い」というのは、あくまでも、質問者様の「個人内差異としてみれば」ということです。 このように、全般的にはとても高い知的能力をお持ちと考えられます。 ただ、4.で触れましたことから見て、VIQとPIQ、また、群指数の間には、有意な差も認められましたので、「非常によくできている部分」と、高いものの「平均の上」「高い」とされる部分との差があります。 それ故、このバランスの悪さで、あるいは悩まれるところがおありかも知れません。 もし「発達障害」などとの関連をお考えであれば、知能検査の結果は、診断際には、あくまでもその参考データとして用いられることを付記しておきます。 以上、大変長くなりましたが、ご参考まで。
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- vzb04330
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No.1です。 早速のお礼、恐縮です。 知能検査や、性格検査は、長さや重さなどの物理的性質を測定するのとはいくつかの点で異なります。 まずは、知能、性格というのは、物理的に実態として存在しない、構成概念を測定します。 したがって、それを表すと考えられる、測定可能なことがら(算数の問題がどれくらい解けるかとか、言葉の意味をどれくらい知っているかということ)を測定します。 つまり、ある意味で間接的な測定になりますので、多少の誤差はともなうことをご承知おきください。 また、もう一つは、まったく客観的な指標(ものさし)が存在する訳ではありません。 つまり、多数の健康な方に実施した結果から、評価基準を作成します。 したがって、多くの方の結果と比べて、知能や群指数の結果が高い、低いという評価をすることになります。 ここに、統計学や、正規分布、偏差値(標準得点)を用いて、結果を表示する意味があります。 この第2の点からは、もう一つ重要なことが導かれます。 統計学的な手続きで、IQ、標準得点、評価点を導き出しますので、その数値の範囲は、自ずから決まってきます。 IQ、標準得点は、45~155の範囲の数値しか算出されません。 評価点は、1~19点となります。 WAIS-IIIで測定可能なのは、高くてもこの範囲に制限されます。 つまり、世の中では、IQ=200などという話があったりしますが、標準得点、つまり偏差値によるIQを用いる限り、そういう数値はありえない、ということになります。 もう一点。 知能のバランスは、高さとは別の概念になりますので、平均以上の知能の高さがあったとしても、能力的なアンバランスが存在することは、理論上もあり得ますし、実際にもあります。 以上、補足です。
お礼
少なくとも多数のサンプルと比較するとかなり高い方に位置しているというのは動かせそうにないですね。周囲から自分の悩みがある種の「自虐風自慢」のようにとられることがあったのですが、このあたり関係がありそうですね(標準偏差の話が出てきましたので私の方でもExcelで計算してみましたがVIQのパーセンタイルが99.8、全体でも99と出てきました) どうもありがとうございました。
お礼
ご丁寧にありがとうございます。意外に結果が良かったというのは驚きです。上のを見る限り私の数字はそう簡単に出るものではないというわけですか。徹夜明け状態という絶不調状態であることを鑑みれば更に高い可能性もある、なるほど「それがそうでもない」というのも納得です。しかし同時に、テストの内容から考えて自分の知能で本当にここまで高い得点なのかと言う疑問もあります。世の中の他の人達はそんなにバカばっかとも思えませんし。私の感覚がおかしいのでしょうか? 更に、バランスの悪さというのはほぼ全てが平均以上の数字でもあり得るんですね…