高校の政治経済の教科書を見たことがありますが、その内容は盛りだくさんで、かなり高度なものとなっています。例えば、高校の教科書の内容を覚えるのではなく、なぜそのような内容の記述がなされるのかを説明できれば(教科書に結論的に記載されていることの理由づけができれば)、政治分野では法学部の政治関連科目の多くについて、経済分野では経済学部の専門科目の大部分については、講義に出席しなてもよいと思います。
特に経済分野では、大学レベルでの現代経済学の幅広い内容が要領よく説明されており、また、マルクス経済学的な経済社会の捉え方の説明もなされています。しかし、その記載内容はかなり高度なものであるにもかかわらず理由づけの説明が十分ではないので、高校生では到底理解できるものではなく、高校の教科書の内容を理論立てて説明することができる経済学部生は、マーチクラスでもかなり少ないのではないでしょうか。
高校では、政治経済の教科書の内容を理論的に説明できる時間はなく、暗記科目となっているはずですが、大学での政治学や経済学は暗記科目ではありませんので、高校での政治経済と大学での政治学や経済学は同じものではないと考えた方がよいと思います。高校での勉学で、「なぜ」という問題意識をもって理解すれば大学での勉学に大いに役立ちますが、暗記しているだけでは人物名や用語について単に聞いたことがある程度しか役立たないでしょう。
なお、商学・経営系では、社会や経済の全体的な仕組みの中で企業活動を研究対象とするということになると思いますので、勉学する際の前提知識として政治経済の内容は役立つはずです(これも、単に覚えているだけでは十分ではありません)。