日本的な基準で言ったら、どの国も対策はゼロに近いです。
阪神淡路大震災の後で、アメリカの地震専門家が現地に乗り込みました。
当初「何でこんな無様な結果に?対策は?」と言うニュアンスでした。
現地調査の後の感想は「我々の経験したロサンゼルス震災は、桁の違う
小さなものだった。もし阪神淡路規模の地震が起こっていたらと思うと
鳥肌が立つ。ここでは全てが遥かに頑丈に作られていた。」と言うものでした。
日本の1/10~1/100の強度の地震でも、日本以上の被害が出ます。
欧州で生活を始めた時、降りた駅前のビル建設を見ました。マッチ棒の様な柱に
トランプカードの床を渡した様な構造。こんな建物でも建てれるんだと
海外に来た実感が沸いて来ました。
滞在中、中東での地震のニュースが有りました。うろたえる欧米人をよそに、
日本人駐在員は慌てず騒がず「さすが地震の国からのビジネスマン。」と
話題になりました。
建物の脆弱さを知っている私は「知らぬが仏の無知故の無作為」と考えました。
その後、欧州で1度だけ震度2程度の地震が有りました。300年に一度とか。
日本なら何も起こらない強度ですが、震度2,3でも崩壊する石造りの建物の
中で何をして良いか、何処に難を避ければ良いか判らずじっとしていました。
中東の地震の時の駐在員の皆さんも同じ心境で、欧米人が勝手に解釈したのかと、
その時改めて思いました。
くどいようですが、日本的な基準で対策をしている国は何処にも無いと考えてください。
コンクリートの建物には、鉄筋を入れましょう、鉄筋は増やしましょうのレベルと
考えて下さい。
建造物個々の話では無く、都市基盤となると東京等の日本の大都会は無為無策に
近い状態です。
関東大震災を警告した今村博士の危惧する震災要因は限りなく大きくなっています。