これはかなり専門的な刑法のお話になるかと思います。
違法ダウンロードというのは、そのダウンロードの対象となるものが
違法に頒布されているものであるということ。
つまり市場に流れず、インターネット上から、正規でないルートに
より、入手意欲者が獲得するものですよね。
このとき、客観的に違法なのですから、それは違法な行為ですよね。
しかし、刑法には、主観的違法という概念もあるわけです。
たとえば、気に食わない人に手で殴りたいと思って殴るのと、
刺してやりたいと思って刺すのとでは、行為者の主観によって
生じる結果も違えば、刺してやりたいと思えば思うほど、
それは、傷を深くしたり、数回にわたり刺すことにもなります。
このように、生じた悪い結果というものは、行為者の主観に
も作用されるということです。
しかしここでいいたいのは、責任的主観の話。というのは、
この違法性ある頒布物をダウンロードするのは、悪いことだ。
だからダウンロードしてはいけないのだ。でもほしいなぁ。
ダウンロードしちゃうかぁ。といってダウンロードをする。
このような主観のことです。つまり、「このようなダウンロードを
してはいけないということが法律的に、または常識的に、
わかっていた＝国が定める法律に違反していることが
わかっていた。それにもかかわらずやってしまった。
この行動意識に非難を加えるわけです。
すなわち、逆を言えば、あ、ダウンロードできるわ。やったー
ほい。といってダウンロードできる。フリーって書いてある。
ならいいんだ。ほーい。
でもそれは違法だった。え？何で、フリーって書いてあるじゃん。
とか、その人が本気で違法ではないという確信を持っていれば、
これはその人が悪いと、いえないでしょう。
しかし私個人的に、違法性のあるものをダウンロードするって
たとえば本来お金を払うべきもの。漫画とか、ゲームとか。
CDとか動画とか。そういうものをダウンロードしているという
は、簡単に気づくと思うし、違法性のないと思われるようなもの
っていうのがむしろすくないのではなかろうか。と思うのです。
それはさておき、ただし、逆に、これは確実に違法である！
との強い確信までをももたなければ、責任は認められない
のでしょうか。↑の例の真逆のパターンです。
いやーこれは違法だ。違法に間違いない。絶対違法だ。
ダウンロードしちゃ絶対だめだ。でもやる。
これくらいの確信。
やっぱり、一般の人って、ここまで確信してやることも、
ないわけではないが、ことにインターネットでたくさんの
頒布物があり、多くの人がそういう波に乗っていること
からも、これってどうなのかな～っていうグレーゾーン
めいたものを感じることはありますよね。
質問自体はちょっと矛盾してると思うんです。違法である
可能性はあるけど違法ではないと思うとは、
↑のような心境をいおうとされているのでしょう。
現実社会にもよくある話です。これってやっちゃいけない
ことなんじゃないかなぁ。大体の人は役所などに問い合わせ
ますよね。常識的に考えて。しかしそういう状況というのは
往々にしてやってくるんです。
で、前置きが長くなりましたが、そういう可能性を
感じながらもダウンロードすると、違法か。
結論は、今の通説によれば違法です。
制限責任説というものですよ。
ちなみに絶対こりゃ違法だわーっていう↑の例は、
厳格故意説という別の説ですかな。
もちろんこれだけが犯罪の要素ではありませんけどね。
でも確かダウンロード側ではなく、つかまるのはアップロード側
だと聞いたことがあるような気が・・・。利き間違いでしょうか。
補足
DLも一応違法ですが罰則はないと聞きました