定義では、
炎症が遊離歯肉に限局しているものを歯肉炎と呼び、炎症が遊離歯肉の範囲を超えて歯槽骨にまで及んでいるものを歯周炎と呼びます。そして炎症が歯槽骨に及んでいることの判断は、骨吸収があるかないかで判断することになっています。
つまり、病理組織学的に定義されているのです。ということは、厳密な診断をするためには、歯茎を切り取って組織標本を作らなければなりません。しかしそんなことは現実的ではありません。
ですから、臨床の場では厳密な診断は不可能なのです。
ですから、発赤の範囲やX線像、EPPその他の検査を行って推測するのです。ですから総合的な判断、ということになります。
遊離歯肉溝は、歯周靭帯のうちの歯槽骨歯肉線維が歯肉を歯槽骨側に引き寄せることでできます。歯槽骨頂の部分の繊維が歯肉を引き寄せる部分が遊離歯肉溝なので、遊離歯肉溝があることは、歯槽骨頂の線維が破壊されておらず、従って歯槽骨頂も破壊されていないことを意味します。ですから、遊離歯肉溝が明瞭であれば歯肉炎の段階であることの証拠になります。
遊離歯肉溝がない場合は、繊維が破壊されているわけですが、骨も破壊されているかどうかはわかりません。X線で骨頂部の歯槽硬線が消失していれば骨の破壊が生じている証拠になります。しかし、歯槽硬線が見えていても、X線でうつらない程度の骨吸収が生じているかもしれません。ですから、他のいろいろな検査データから総合的に判断することになります。
お礼
ありがとうございます。 レントゲンでは骨吸収してるかどうかというのを見ればいいのですか? 私は衛生士なのですが、総合的に判断ということは 私にはわかりませんか?