観測可能な宇宙と全宇宙
ビッグバン宇宙論が意味する宇宙とはどんな宇宙か。
ビッグバン宇宙論における宇宙とは観測可能な宇宙のことであって、決して全宇宙のことではあるまい。
何故なら人間が宇宙の全てを観測することは不可能だからである。
観測可能な宇宙が有限であることは明らかである。
どれ程の最新機器を用いようと無限の先まで観測することは出来ないからである。
しかし観測可能な宇宙が全宇宙であるとは言えない。
そして観測可能な宇宙が有限であっても全宇宙が有限であるとは言えない。
何故なら我々の目の届かないところに宇宙は延々と無限に広がっているかも知れないからである。
観測可能な宇宙はいろいろある。
我々がいる太陽系宇宙は観測可能だし、天の川銀河も観測可能である。
天の川銀河以外にも観測可能な銀河は数多くある。
しかしながら我々が観測できる銀河以外に銀河は存在しないとは断言できまい。
何故なら我々の目の届かないところに無数の銀河が拡がっているかもしれないからである。
観測可能な宇宙であれば、それらはいずれも有限であり、形状と大きさをもち、誕生の時期とその生成プロセスを示すことは出来よう。
しかしそれは観測可能な宇宙のことであって、全宇宙ではない。
要するにビッグバン宇宙論における宇宙とは天の川銀河のような観測可能な宇宙を意味しているのではないか。
そしてそのような観測可能な宇宙を宇宙とみなして、宇宙は有限であるとか宇宙は膨張しているなどと主張しているのではないだろうか。