考えられる原因としては2つありますね。皆さんが言われるようにバッテリーが上がって締まっている状態が一つ、もう一つはスターターモーター自体の不良です。
バッテリーは交換したばかりということですから、もしバッテリー上がりだとすれば、車自体の発電系統や電気系統に異常が起きている可能性が高いので点検が必要ですね。自動車ではエンジンが動作している状態ではエンジンによって駆動されるオルタネーターという発電機を使って、車で使う電力を賄い、バッテリーの充電も行っています。エンジンが掛かっている状態では一時的に大きな電力が必要なとき以外は、バッテリーの電力は使わず充電する状態になっているのが正常なのですが、この発電機や電気回路に異常があるとバッテリーの充電が出来ずに新しいバッテリーでもすぐに上がってしまうということがおきます。また、発電系統自体は正常でも、キーをオフにした状態でも電気系統のスイッチが完全に切れずにバッテリーの電力を消費しいる状態になっている場合もあります。多くの場合はユーザーのスイッチの切り忘れによるものですが、電気回路の異常でこのような状態になることもあります。自動車の電気系統には幾つかキースイッチとは関係なく常に通電されている部分があり、通常はそのような部分では、別の制御や回路に(例えばオルタネーターのB端子など)工夫がキースイッチを切らなくても電流が流れないようになっているか、時計のように非常に小さな電流しか流れないのですが、回路の異常などで大きな電流が流れ続け、止めている間にバッテリーを消耗してしまう場合があります。このような状態ではバッテリーを充電しただけでは、またすぐにバッテリー上がりを起こすので整備工場等で点検を受け、修理を受ける必要があります。
次にスターターモーターの不良ですが、これはヘッドライトつけたままでスターターを回してみてください。この時にヘッドライトが暗くならないようであれば、バッテリーよりもスターター系統の異常の可能性のほうが高いでしょう。スターターモーターにはマグネットスイッチと部品が付いているのですが、スターターモーターのモーター自体は非常に大きな電力を消費する(ガソリン車でも700W~1.2KW程度)ので、キースイッチで直にこのような大きな電力をオン/オフさせることは出来ません。そこで、スターターモーター自体にマグネットスイッチという電磁石の力で働く大きな電力をコントロールできるスイッチ(スイッチの役目とスターターモーターのギアをエンジンとかみ合わせる役割をかねている)が付いていて、キースイッチはこのマグネットスイッチを働かせているだけです。このマグネットスイッチが働くときにカチンという音が出るのですが、肝心のスイッチがだめになっているとモーター自体に電力が伝わらずエンジンが掛からないということが起こります。先ほどのヘッドライトのテストでは、大きな電力を必用とするモーター自体に電力が伝わっていれば、バッテリーの電圧が落ちてライトが暗くなるのを確かめています。いくらか暗くなるという程度ではなく、はっきりと暗くなることが判る状態になるはずです。
ヘッドライトをつけた時点で暗いようであれば、バッテリー上がりの状態ですのでこのテストは行っても無駄です。バッテリー電圧があまり低いとスターターモーターは正しく動作しない可能性があるので、テストを行うこと自体に意味がありません。
まぁ、知識として持っていても良いかなということで、考えられる状態を説明しましたが、実際の修理となると素人のレベルでは難しいでしょうから、いずれの場合も修理工場のお世話になることになると思いますが・・・
それから、バッテリーが上がっていた場合は、出来るだけ早く充電しておきましょう。バッテリーは放電したまま状態で放置されれると、極端に寿命が短くなってしまいます。