まず赤沈です。RAでは30-40mmで中程度、重度では80mm以上もありえます。ただし、心筋梗塞、結核、悪性腫瘍や他の膠原病でも赤沈の評価がありますので、決定的な所見とはなりません。
C反応タンパクでの炎症もチェックします。むろん(+)陽性での評価です。
白血球のカウントもしますが、RAでは一般的に白血球は増加しません。正常値とでることが普通です。むしろ3500/1にまで減少していたら、全身性エリテマトーデスやフェルティ症候群の発症や合併を疑います。どちらの疾患もRAと誤診されやすい疾病です。逆に10000/1以上な増加していると、他の感染症やステロイドの影響が顕在ではないかと疑います。あるいは悪性関節リウマチ(血管炎を発症)を疑います。
ヘモグロビンが8g以下であれば、NSADの影響か、ステロイド剤による胃潰瘍、十二指腸潰瘍の可能性があります。
血小板では念のためのチャック項目です。極端に増えているときは治療に対して抵抗性の強いRAの可能性があります。
リウマチ因子の検査としてはラテックス凝集法があります。
RAはご存じのように、自己免疫疾患ではないかというのが通説ですから、IgG
(変性免疫グロブリン)をチェックします。
ラテックスの粒にIgGをつけ患者からの血液を加えます。血液中にリウマチ因子があればIgGをつけられた粒と血液が反応して凝固するので陽性と判断されます。最近では、IgMに属するリウマチ因子の量を計測することもあります。
ところがRAであるのに、リウマチ因子陰性の人が3割ほどもいることを述べておきます。また全身性エリテマトーデスでは3割の人が陽性と判断示すことも述べておきましょう。つまり因子があるということだけで、RA発症までを判断してしまうのは早計ということです。
血清タンパク分画では、グロブリンの増加比率をチェックします。
RAではα1がわずかに増加、α2が顕著に増加、γが増加します。
全身性エリテマトーデスでは、上記に加えてβが増加しアルブミンが正常値よりもはっきりと減少するので、振り分けの判断になります。RAが進行するとα2の割合が増えていきます。
お礼
さっそく、丁寧なご指導、ありがとうございました。 RA以外の膠原病との比較まで併せて教えていただけたことは 大変参考になりました。