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漢方薬の効果の仕組みについての質問です。
複数の生薬群の組み合わせで、それ等自身が化学変化を起こす訳ではないのに、どうして混ざると特殊な効果を服用者達の体へ及ぼせるのでしょうか? 陰陽五行の相生相剋関係の西洋近代科学的な根拠を知る為に必要になるのだろう、と思われますから、教えて頂けますでしょうか?
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先ず把握しておかなければならない事として、 漢方は西洋医学とは全く別の医学大系にあるという事です。 人体を科学的に観察した西洋医学の基礎医学を漢方医学に当てはめる事そのものが無謀です。 人体を陰陽で観察した生理学・解剖学・病理学・薬理学でもって漢方医学を追求しなければ漢方を理解する事は不可能です。 従って「陰陽五行の相生相剋関係の西洋近代科学的な根拠を知る為に必要」これ自体に無理があります。 因みに五行を陰陽でもって理解する事は可能ですが、陰陽と五行は別物です。 漢方薬の薬理を知りたいのでしたら、氣味を勉強しなければなりません。 但し氣味は神農本草経と後世の本草書とでは尺度が逆になっていますから注意が必要です。 霊枢・素問・傷寒論・金匱要略は神農本草経の氣味で記されています。 苦剤は何を補う役割があるのか? 甘剤は何を補う役割があるのか? 甘剤に苦剤と辛剤を組み合わせるのはどういう目的があるのか? これを理解出来ない人々は方剤の運用ばかりを勉強したり、エビデンスを求めてしまいます。 「混ざると特殊な効果を及ぼすのか」 これを知りたいのでしたら、傷寒論には何が記されているのかを理解出来るまで読み書き写し、その上で素問・霊枢・難経を読みこなし、その上で再び傷寒論を読むと氣味と方剤の意味が理解出来る様になります。これ以外に方剤を理解し運用する方法は存在しません。
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- albert8
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生薬の本質は毒物です。生薬は天日で干して黒く干からびていますが、臭いも強く、苦味やえぐ味があったり決して美味しいものとはいえません。栄養にならないものばかりです。これが口に入ると体は毒性を感知して排除にかかります。 舐めたぐらいではペッペと増えた唾液(唾液が増えるのは排泄反応)とともに吐き出せばすみますが、飲み込んでしまうと体は総動員して毒の排泄にかかります。この時の体の毒の排泄反応を利用するのが漢方薬です。排泄反応は副交感神経の働きです。副交感神経が優位になると排泄反応が強くなり老廃物の排泄例えば便秘の解消や排尿、あるいは発汗がスムーズになったり、血管が拡張しますので血流量が増えて体が温くなります。免疫力を高めるものばかりです。 排泄には尿や便、汗だけでなく鼻水、せき、くしゃみ、湿疹、蕁麻疹という形をとるものもあります。作用するところに合わせて生薬を組み合わせますので漢方薬の種類は多くなります。 少量の毒を組み合わせて排泄反応を利用し免疫力を高めるのが漢方薬です。ですから漢方薬といえども匙加減(例えばどうしても毒性の強い生薬を加える場合をそれを多少打ち消す生薬を加えたりします)を間違えたり摂り過ぎると毒性がもろに出て体を壊すだけでなく最悪の場合は死亡することすらありえるわけです。 こういう意味で漢方薬はBRM(Biological Response Modifieirs 生物反応修飾物質)の一つでありまた抗ウィスル薬でもあります。つまりBRMというと、生体の自律神経・免疫・内分泌を変化させる薬剤ということになりますので漢方薬を処方するときはあらかじめ処方を受ける生体側の生理状態を把握しておく必要があります。これが『証』の把握です。
補足
詳しく入力して頂きまして、とても有り難いのですが、 教科書レベルの回答に留まっているのが残念です。 混ぜ物の効果は、別の部位への刺激が同時に起こった場合の影響に起因しているのではないでしょうか。 そもそも、鍼灸治療の場合にも、刺激対象の経穴群の組み合わせが効果の度量を変えていたのではないでしょうか。
こんにちは。 中医学を勉強している者です。生薬に対する近代的な研究結果などの知識はほとんどなく、純粋に中医学の視点からの意見です。 右手だけ持っている右半身と、左手だけ持っている左半身が合わされば両手を使える様になり、今まで持てなかった大きな荷物を持つ事ができる様になりますが、基本的には右手は右手、左手は左手が今まで各々持っていた力をそのまま使っているだけで、指が増えた訳でも手のひらに吸盤がついた訳でもありません。ほとんどの場合基本的にはその生薬が元々持っている効能が強化されるだけではないでしょうか。 また、中医学は元々は臨床知識の蓄積であって、陰陽五行やそれに付随する相生相剋関係は後から知識を共有する為に体系化する際に用いられた後付けのものです。ですから、必ずしもキレイに陰陽五行学説に則っている訳ではありません。
補足
有り難う御座います。 何処迄が今の自分に可能なのかは現時点で判断され難いのですが、 課題を提供して下さり、嬉しく思います。