効果が全く無いとは言えないと思うのですが、現実的に「ほとんど効果はない」と言うのも正論で、身体に悪い可能性もあります。
そもそも、何故ヨウ素摂取が良いのか?からご説明します。
ヨウ素は、放射性物質が体内に蓄積するのを防ぐ効果があるからです。
放射性物質を体内に蓄積すると、その放射性物質が体内から放射線を放出し続け、障害を引き起こす可能性が生じます。
特に原発から放出される放射性物質の中で最も量が多いのが、放射性ヨウ素です。
これを身体(より正確には甲状腺)が吸収しない様、予め体内に(飽和状態まで)非放射性ヨウ素を蓄えて置くことが目的なんです。
放射性ヨウ素を蓄積してしまうと、甲状腺障害や、長期的に甲状腺腫,機能的低下などを引き起こしてしまいます。
ただ、被曝予防投与量はヨウ化カリウム130mg(ヨウ素として100mg)くらいです。
上述の通り、予め体内のヨウ素を飽和状態にしておくことが目的なので、被曝してからだと、時間が経過するにつれて効果が薄れますし、被曝の前過ぎても、飽和状態が解消してしまいます。
出来れば被曝の1~3時間くらい前にヨウ化カリウム剤を摂取するのが理想的です。
一方、成人が一日に摂取するヨウ素の量は1.5mgです。
これはヨウ素カリウム剤で摂取する量の1/67です。
では食品からヨウ素を摂取するとなると、被曝する1~3時間前に、単純計算で普段の昆布の60~70倍の量を食べなきゃならないってコトです。
日に昆布を50g食べるとすれば、3~4kg食べなきゃならないと言う計算で・・コレはちょっと無理です。
しかも、常に飽和状態を維持するくらい、大量のヨウ素を摂取し続けたら、これもやっぱり甲状腺障害などの原因になります。
ヨウ化カリウム剤も同様で、軽度の被曝では摂取しない方が良いとされています。
必死で昆布を食べて被曝を防いでも、結局は似た様な病気になってしまう可能性があると言うコトです。
無理して必死で昆布を食べるよりは、好きなものを適量食べてる方が、恐らく長生き出来るのではないかな?と思いますよ。
お礼
お詳しい説明、大変参考になりました。 ありがとうございました。