leaf7さん
補足です。
毎月保険料を数万円も払うような生命保険の契約するときは、メリットだけではなく、デメリットも十分踏まえた上で契約することが、後で後悔しないコツだと思います。
(1)低解約返戻金型終身保険の特徴
低解約返戻金型終身保険は、「低解約返戻金型」でない終身保険よりも保険料払込期間中の解約返戻金を30%低くする代わりに、保険料を10%~15%ほど割安にした保険です。
(払込期間中の解約返戻金は30%低いのに、保険料が30%安いわけではありません。)
ですので、払込期間中での解約は、非常に不利な商品と言えます。
保険会社が保険料を決定する要素のひとつに、「予定利率」(*1)というものがあります。これは、いわば「保険料の割引率」です。
1990年頃は、予定利率(割引率)が5%ほどだったのですが、現在では1.5%ほどになっています。
回答No.3で例示した、低解約返戻金型終身保険商品ですと、保険契約期間中(解約しない限り、一生涯)この予定利率は変動しません。
このようなことから、低解約返戻金型終身保険を契約するにあたっては、
(1)保険営業員のセールストークを鵜呑みにすることなく、
(2)どんな目的で加入するかが明確であり、
(3)子供の教育費がかさむようになるなどして、その払込保険料が生活費を圧迫するようになっても、保険料払込期間中は解約することなく、
(4)世の中の預金利率があがっても、この保険に加入していることを恨めしく思うことがない、
このような限定的な条件に合う人に限って、この保険に加入するメリットがあるかもしれません。
(2)低解約返戻金型終身保険の「返戻率」について
他の方の回答の中で「返戻率」という言葉が出てきました。
これは、おそらく、それまでに払い込んだ保険料に対して、低解約返戻金型終身保険を解約したときに戻ってくる「解約返戻金」の率だと思います。(ある保険会社は、この率を「解約返戻率」と呼んでいます。)
それまでに払い込んだ保険料の合計額 100
その時に解約した場合にもらえる解約返戻金の額 90
とした場合、この時の解約返戻率は、90%ということになります。
契約を検討している保険会社に確認していただくのが確実ですが、払込期間中の解約返戻率は、平均で60%~70%程だと思います。(30%~40%の「元本割れ」)
例えば、45歳契約、60歳払込満了の契約をした場合、15年間ずっと、いわば大幅な「元本割れ」状態が続くということです。
保険会社は、払込満了後の解約返戻率ばかりを強調しますが、払込満了時期にたどり着くには、長く深い谷が横たわっているということです。
(3)保険金額による「解約返戻率」の違い
「長く深い谷」を越えて、払込満了直後を迎えた場合、保険金額による「解約返戻率」の違いを検証してみます。
回答No.3で例示した商品で比べてみます。
45歳、男、払込満了60歳、という条件で、
A:保険金額1000万円の場合
月額保険料 39,570円(総額保険料7,122,600円)
払込満了時解約返戻金 7,324,000円
払込満了時の解約返戻率 102.8%
B:保険金額500万円の場合
月額保険料 19,885円(総額保険料3,579,300円)
払込満了時解約返戻金 3,662,000円
払込満了時の解約返戻率 102.3%
解約返戻率の違いは0.5%です。Aと、Bを2本契約した場合との違いは、金額にして36,000円です。15年間で。この違いにどれほどの意味を感じますか?
今回例示した保険会社の商品だけでなく、他社商品でも似たようなものではないでしょうか。是非ご自身でも検証してみてください。
ちなみに、毎月39,570円を年利0.3~0.4%で銀行預金していけば、15年後に7,324,000円になります。元本割れなしで。
(4)最良のご判断を
私は、leaf7さんが低解約返戻金型終身保険・保険金額1000万円の商品を契約することを阻止したいわけでは有りません。
数百万円の資金を投入するに当たって、その投入先として「低解約返戻金型終身保険」商品が適切かどうかを判断する材料をお示ししてみただけです。
上記のようなことを踏まえて、最適なご判断をされますよう。
----------
(*1)保険選びネット-予定利率とは?
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/kazunasemi/insu/history/94.html
(*2)解約返戻金
解約返戻金とは、保険契約の解約、失効、解除の際に、契約者に返還されるお金のこと。
(ライフネット生命-生命保険用語辞典より)
当然ですが、解約すれば、その後の保障はなくなります。
お礼
丁寧に回答していただき、ありがとうございます。 今回の回答も大変参考になりました。 「必要最低限」という説明に、とても納得しました。 自分たちに合う保険を、慎重に検討していきたいと思います。