なるほど。御心配はごもっとも、ですが・・・
>気になるのは、パワステ装置によって強い力を加えて操舵していた部分は良いのですが、
今度はハンドルで強い力を加えることになるので、力の加わる部分が変わってくると思うのです。
順を追って説明しましょう。
※EPS(電動パワステ)が普及した現代では、コラムシャフトの回転力をアシストする方式のモノもありますが、パワステは基本的にはステアリングユニット自体でアシスト操舵力を発生しています。
※としますと、まずステアリングユニットより下流(タイロッドとかナックルアームとか)は、パワステがあっても無くても変わりません。
※ステアリングユニット自体にはアシスト力とその反力がかかるワケですが、アシストしようがしまいが、発生しているチカラの大きさは『タイヤを操舵する分』だけです。故にステアリングユニット自体やそのユニットの車体との取付部も、パワステがあっても無くても変わりません。
※問題はステアリングユニットより上流、コラムシャフトとハンドル周りですね。この部分は、パワステが働いていれば普段はパワステ無しよりもずっと軽い捩り力しかかかっていないので、パワステの動力を切るとまずいことが起こりそうな気はします。が・・・
※コラムシャフトやハンドルに限らずステアリング機構全体の強度は、パワステがあるかないかでは決まっていません、と言いますか、実は操舵するチカラでは決まっていません。
※操舵機構及びその機構の取付強度は、例えば前輪をドブに落とした状態でハンドルを切ろうとする状況(運転手は腰を浮かし、体重をかけてハンドルを回そうとします)や、事故で道路を飛び出し、前輪がガードレールの足などのポールに引っ掛かってムリヤリ操舵される状況などの極限状態でも、部品が折れたり千切れたりしない様に考慮されています。
操舵系はブレーキよりも優先度の高い最重要保安部品で、ドライバが打撲や単純骨折程度の受傷で済むレベルの事故では、機構が分断されることは許されません。また事故で操舵系が分断され、『ハンドルが効かなくなって事故を起こした』という理不尽なクレームが発生した時代もあり、カーメーカの防衛的措置もあって操舵機構の強度が決められています。
こういった状況での強度は、パワステのアリ/ナシなどは最早差にならず、故にパワーアシストを切ったところで操舵機構のどこかが壊れる様な設計にはなっていない、と言えます。
※但し。
EP91だと油圧パワステですね?油圧パワステ機構では、コラムシャフトの一部に極端に剛性が低い個所があり(何故そうする必要があるか?の説明は長くなるのでハショります。パワステの油圧回路を勉強してください)、単に油圧を切っただけでは、低~中速域での操舵フィーリングが極端に悪化します。
もっとも、その『低剛性』の個所には捻れ方向のストッパがあり、ハンドルを回していてネジ切れる様なことにはなりませんが、ストッパに当るまでの段付き感というか捩り感が明確に出て、特に低速域ではハンドルの効き具合が曖昧になり、路面状態の伝達もボケて不愉快なハンドル手応えになります。
っというワケで油圧パワステで油圧源を絶つだけでは、少なくともスポーティとは程遠いフィーリングになりますが・・・それでよろしいのですね?
お礼
詳しいご説明に感動です。助かります。 ありがとうございました。 ポンプを取り去るだけでは不十分なのですね。 >『低剛性』の個所には捻れ方向のストッパがあり つまりこの辺を強化?するのでしょうか。 質問主旨を通すため、別くちで質問上げさせてもらいます。 もし見かけたらご回答頂けると嬉しいです。