現時点に置いて、がんの早期発見の切り札はありません。
血液検査は、現在は腫瘍マーカーが中心ですが、
それ以外にも、遺伝子検査など様々な検査が研究されて
います。
現在、研究中の血液検査は、将来的には、かなりの高率で
発見できることが期待されていますが、
問題がないわけではありません。
すでに、あまりにも、鋭敏すぎる可能性が指摘されています。
がんは、自分の細胞が何らかの原因で遺伝子が異常になり、
異常に増殖してがんになるのですが、細胞レベルならば、
免疫がやっつけてくれます。
ところが、あまりにも鋭敏すぎると、このようなレベルの
がんまでも発見してしまうのです。
CTやPET検査も万能ではありません。
画像の解像度の問題もあり、現時点では、数ミリ程度が
発見の限界ですし、必ず見つかるとは限りません。
例えば、PET検査では、肺がんの「擦りガラス状」の物は
陰性となってしまう危険が高いです。
(CTには映ります)
ヘリカルCTのような診断方法でも、切る間隔が問題になります。
つまり、現時点では、色々な検査を組み合わせるしか
精度を挙げる方法はありません。
さて、お兄様の質問についてですが、
一部の消化器がんや前立腺がんでは、鋭敏な血液検査が
期待されています。
ですが、パーフェクトとはいきません。
検査は、した方が良いですが、陰性だから100%安心とは言えません。
現在の医学レベルでは、「がんドック」と呼ばれる総合検診が
最も有効な方法でしょう。
自費で20万円ほどかかります。
CT、MRI、PETのような画像診断
腫瘍マーカーなどの血液検査
内視鏡検査
などの検査を組み合わせて行います。