こんばんは、
鉄道会社で電車運転士をしております。
>以前,ボックス席よりも一列の席のほうが大人数が座れると
聞いたことがあるのですが
これは、その車両の1両あたりのドア数と関係してきます。
【例】
●京急のクロスシート車600形の場合、補助椅子を出さない時の座席定員はロングシートの1500形よりも少ない
●東武のロングシート・クロスシート両方に転換できる50090形は、ロングシート時のドア間の座席定員は6人で、他のロングシート車よりも1人少ない。
一概にそうとも言い切れません。
西武池袋線などで使用している4000形は、2ドア。
ドアを少なくし、その分座席を多くしています。結果として座席の定員が多い車種となります。
ドア数が少ないと、各停車駅では乗降に時間が掛かります。
2ドアよりも3ドア、3ドアよりも4ドアの方が、分散乗車が出来てホームで待っている人が車内に入りやすい⇒結果として停車時分が少なく済む。
・・・・こういう利点があります。
その中でドアを少なくしているのは、
●停車駅が少ない列車に使う(特急を補助するような快速急行などの列車)⇒停車駅が少ないので、停車時分を懸念しなくても大丈夫だから。
●閑散ローカル線用⇒大体利用客自体が少ない。
・・・この2つで使うことを前提にしているからです。
この二つの使用目的をくっつけて出来た車両が4000形なのです。
だから、平日の日中では池袋近郊では見かけません。
秩父方面でしか見れませんし、
「特急」だけでは運びきれないような休日の行楽客向けで、池袋まで来るときは、なるだけ停車駅の少ない「快速急行」で来るのです。
目的なのですが、
池袋⇔秩父ともなると、特急でも90分は掛かります。なるだけ利用客には座席に座れる環境をという意図があります。
また、平日は閑散ローカル線で、休日は停車駅の少ない「快速急行」で使うことで、ドア数の少ない欠点を目立たなくさせる事が出来ます。
その為、なるだけ座席の多い車両をと考えます。
その結果、2ドアのボックスシートになったのです。
お礼
プロの方のご回答ありがとうございます。 鉄道に詳しくない私にはもったいないほどの詳しいお答えに感謝です! なぜボックスタイプが使われているのかよく分かりました!