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モンスターペアレントや虐待の問題について考える
- モンスターペアレントや虐待などの親の問題が増えていると言われていますが、実際にその数は本当に増えているのでしょうか?
- もし実際に増えているのなら、その増える原因は何なのでしょうか?
- 一方で、実際には増えていないのになぜこの問題が顕著になっているのでしょうか?
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1. まず、児童虐待については、あくまでも「発見」されるようになった、ということです。 02年から児童相談所への通報件数は40倍に激増しました。しかし、僅か数年でこれだけの変化がある、というのは、いきなり親が別人に変わるわけはないので比較としては基準が変わった、と見るのが妥当です。 実際、警察庁の殺人統計において、親に子供が殺される、というケースは反対に減っているのです。 これを考えた場合、虐待が増えたのではなく、見て見ぬふりをしたケースが減ったため、通報件数が増加し、結果、子供が殺されずに済むようになった、と見た方が妥当ではないかと思います。 また、モンスターペアレントに関しては、児童虐待以上に比較対象がありません。 「モンスターペアレント」という言葉が「発明」されたのは最近のことです。それ以前より、クレーマーなどは存在していました。しかし、それを表現する言葉がなく、結果、全く調査されてこなかったのです。 また、現在の調査にも問題があり、これは学校など、一方の当事者に「あなたの学校にはモンスターペアレントがいますか?」というような質問の仕方をする場合が殆どです。しかし、これは客観的に比較できず、下手をすると「正当な批判」なども「理不尽な要求だ」として判断する可能性を排除しきれないのです。つまり、どこまで言っても、客観的な評価がしづらいものである、と言えます。 逆に、「モンスターペアレントの行動」の典型例として紹介されている給食費の未納。文部科学省が行った07年の単発調査ではあるのですが、納付率が生徒数ベースで99%、金額ベースで99.5%となんていうものもあります(この1%ほどの未納者の中には、当然、金銭的に苦しくて払えない、なども含みます) 3. ということで、そもそもの比較がおかしい、比較材料がない中で、「悪くなっている」という前提で物事を捉えるものがやたらと多いのです。 そうなる最大の理由は、「言葉が発明された」ということです。新しい言葉が発明されると、ニュースなどはそこに注目します。注目をすると、「あ、あれもそうだ」「これもそうだ」とそれに該当するようなものを集めてきます。しかし、人間の記憶というのは曖昧なものですから、そういうものは最近の例ばかりになります。そうすると、いかにも「悪くなった」という雰囲気ができあがっていきます。 また、そういう言葉を作ることで、一山当てる、というような論者もいますし、また、何らかの形で自分の論を主張したい人物が、「○○のせいで、こうなったのだ」と言う形で結びつけて批判するようなケースも多いのです。 例えば、保守主義と言われるような人たちは、現在の自由な気風が児童虐待やモンスターペアレントを増殖させたのだ、などという感じで発言するわけです。実際のところ、先に書いたように、虐待で殺される子供は減っているのに。こういう形で広められてしまうことが多いのです。 実のところ、現在、教師を最も苦しめているのは、こういうムード蔓延によって煽られる不安です。 例えば、学力低下だ、と騒がれることによって親が不安に駆られれば苦情を言いたくなるでしょう(実際の所、PISAの調査にしても先進国の中では上位におり、順位が落ちた云々は本来、気にするようなことではないはずなのですが) また、そういう話を受けて、国が、自治体が、研究機関が学校に対して様々な調査などをするよう働きかけます。当然、それは教師の事務仕事を増加させます。 教育改革のなのもと、国は次々と朝令暮改を繰り返しています。授業内容を減らす→増やす、総合学習という新しいものを導入→時間を減らす(でも準備の手間は殆ど減らない)、小学校の英語授業導入……。こうやって毎年のように方針を変えれば、教師が準備などに手間取るのは当然です。そして、それを見つけてあげつらえば、さらに文句が来るようになって…… つまり、まず、ムード蔓延が先にあり、そのムードによって教師が疲弊し、その疲弊をあげつらう……そういう悪循環に陥っているのが現在出はないかと思います。
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- Mokuzo100nenn
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育児放棄は昔から有った。お猿の母親にもあるらしいですよ。 昔の日本は大家族だったので、母親が育児放棄をしたら、あるいは母親不適性であったら、祖父母とか、小姑とか、その他居候などが代わりに子供たちの面倒を見た。ついでに近所の子供の面倒だって見た。 戦後、都市部に人口が集中した時期に、一時凌ぎで、2DKなる集合住宅が「発明」され、入れ物からして大家族制度が成り立たたんようになった。おかしなもので、2DKで育った子供たちは、自分が家を設えるときに、たとえ十分な経済的余裕があっても2DKを基準にして、3DKとか3LDKとかの住宅をつくってしまうんじゃなぁ。その結果、いつまでも核家族で母親の適性が無い場合でも家庭内で代替しようがなく、育児放棄=>虐待に進んでしまうのじゃないでしょうか。 今後新築する住宅は、昔のように最低でも10部屋なくてはならないように決めたらよいんじゃ。そうすると核家族では広すぎるので爺さん、婆さんと同居したり、空いた部屋に書生を置いて少々の家賃を取ったりするようにるし、定職につかない親戚の若い衆がおれば居候にしとけば良い。 その結果どうなるとおもいますか? 昔の大家族制度の良さが蘇り、児童の虐待は無くなり、老人の痴呆も予防され、ワーキングプアだのホームレスだのという問題も全部解決してしまうんだな。解決と言っては言いすぎかもしれないが家族が問題を吸収可能になって社会問題ではなくなる。 モンスターペアレントっていう怪獣はまだ見たことが無いけれど、昔、意味もわからずに歌っていた「仰げば尊し」って歌、この歌を日教組あたりが歌わなくした時代に学校教育を終了した子供たちが、大人になると怪獣になるのじゃないかな。 数年前に娘の中学校の卒業式に参列させてもらったが、昔と同じように「仰げば尊し」や「君が代」など、意味もわからずに歌っていたので、安心したな。子供のころに意味もわからずに歌ったり、覚えたりするのが教育じゃよ。 戦争に負けたので日本自体が自信を無くしていた時期に教育を受けた世代があることは悲劇だけれども、これからは日本の教育にも日本の良き文化を教育・伝承してゆく余裕ができたので大丈夫だと思います。
お礼
問題解決まで話が及んでいて大変参考になることばかりでした。本当にありがとうございました。
- cyototu
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#6さんの論理ですが、 つまり、まず、ムード蔓延が先にあり、そのムードによって教師が疲弊し、その疲弊をあげつらう、……そういう悪循環に陥っている、その結果、教師が馬鹿にされる、だから増々理不尽なことを言って来る親達が増える、だからモンスターペアレントと言う新造語に対応した親の数が増えている、 って可能性はないのですか? それなら、先生方も何とかしなくては参ってしまいますね。それとも、 つまり、まず、ムード蔓延が先にあり、そのムードによって教師が疲弊し、その疲弊をあげつらう、……そういう悪循環に陥っている、だけど、そんなあげつらいや悪循環にも拘らず、親達は先生を馬鹿にするようになった事実はなく、したがって、モンスターペアレントと言う新造語はなにも根拠が無くって、そんな理不尽なことを言って来る親の数は、悪循環が起こってしまった後でも、それ以前とはあまり変わっている訳でもない、 っと仰っていのですか? もし、そうなら、悪循環だなんて、教師はまあ可哀想だけど、その原因は親達には無いということですよね。従って、教師達も親に関しては別に心配することが無い分だけ救いがあるようですね。先生方、これは単なるマスコミの煽動による実体のない幻想なんだそうですから、それが幻想であることを認識しさえすればその悪循環は断ち切れそうですよ。要は心の持ちよう一つの問題だそうですから、希望が持てますね。だから、そんなムードなんて言う幻想に負けないで頑張って下さい。 ってなことになりますね。私には、そのどちらだか分かんないですけど、そんな悪循環があれば変な親の数も増えて来るって言う最初の論理の方が素直で分かり易いんですが、そんな単純な見方は間違っているんでしょうか。
お礼
この問題においても多角的な見方がいかに大事かということを改めて認識させて頂きました。本当にありがとうございました。
- hey_hey_11
- ベストアンサー率25% (235/921)
明らかに増加しておりますし、近年では文句の質も向上し教師は手を焼いている状況のようです。 推定原因は、腐ったミカン時代で校内暴力が盛んな時代の親が多いため、教師自体を信頼していない人が 多いことが先ず起因していると思います。 また、ゆとり教育で育った人が教師をしているため、過激な時代を生きてきた親を相手にできないのは当然だと思います。 それと、教師も責任逃れをする人が多いし、視野が狭いことや事件,事故などをマスコミが大きく報道することもあり、教師への信頼が失墜したこともあります。 でも、殆どの教師はまじめで生徒のことを考えているのですが、一部の不届き者の行いで全てぶち壊し状態と聞いております。 後は校長の考え方次第で大きく方針が変るのも事実のようです。 今は、教師もサラリーマンと同じですから。
お礼
モンスターペアレントの実情を詳しく述べて頂き本当に参考になりました。ご回答ありがとうございました。
No.3です。 追加ですが、それと情報量の違いがあると思います。 昔も子供を殺すなどはたくさんあったでしょうが、今ならば確実に全国ニュースで流れますが、昔だと地方新聞のネタになる程度でしょう。 それに昔ならば、(殺した)もっともらしい理由がいろいろとありましたからね。
お礼
追加の回答までしていただいて本当にありがたい限りです。
これは「教師の体罰」の問題と似ていると思います。 つまり、どこからが体罰あるいは虐待かによって違ってきます。 ですから時代を問わず、まるっきり同じ基準で評価すれば、たぶんさほどの変動があるとは思えませんし、もしかしたら減っているのかも知れません。 逆に言えば、今は昔よりも判断基準が厳しくなり、必然的に増えたと言っても間違いではないでしょう。 昔は「親の言うことを聞かない子は、悪い子だから何をされても文句が言えない」や「腹を痛めて産んだ子が可愛くないはずがない」と言えば何でも正当化できましたからね。 でも、判断基準が厳しくなるのは決して悪いことではありません。
お礼
判断基準が変わったという点に関して私は見識がなかったので新しくモンスターペアレントの見つめことができるようになりました。本当にありがとうございました。
- sotom
- ベストアンサー率15% (698/4465)
昔からあります。 親の子殺し、子の親殺しなんて歴史を繙けば、珍しくも何ともない。 ただ、親になりきれない未成熟な者が子供を産んでいるだけの事です。 虐待というのは、その一面に過ぎない。
お礼
自分のようなものでも少しはお蔭様で本質的な理解をすることができるようになりました。本当にありがとうございました。
- flyingbee
- ベストアンサー率26% (49/182)
増えています。 ただし、本人は気付いてないケースが殆どですけど。 例えば、子供が注意されて親が文句を言ってくるケース。 昔なら赤面もので平謝りだったのに正反対になっています。 ファミコンが出てきてからじゃないですか。 上下関係で滅多に遊ばなくなった。 本当の意味でのモンスターペアレンツはバカです。 理由は簡単です。ガキの頃に先生にきつく叱られた。 ところが今じゃ、頭叩いただけで体罰で大騒ぎになる。 ガキの頃、あんなに威張っていた先生が弱いじゃないか。 そこで先生を攻撃して優越感に浸っている。 その他にも色々あるでしょうが、要は鬱憤晴らしです。 人間が壊れているから始末に負えません。 まあ、昔より絶対数が増えてきたのは上記の理由から間違いありません。 それに呼応するように先生の地位が低下した。 昔なら親と教師で取っ組み合いの喧嘩になったこともあります。
お礼
モンスターペアレントの理解がお蔭様で深まりました。本当にありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。モンスターペアレントの問題を違った角度から教えて頂いて本当に参考になりました。