「セクハラは犯罪である」という命題が誤りです。
性的な嫌がらせのことを言い,もともとは労使関係における性的な問題のことで,対価型と環境型の2類型に分けて考えられてきているものです。
例えば,男性の上司が女性の部下に勤務評定を悪くされたくなければ性的関係に応じろとする場合がセクハラであり,これに応じさせたからといって当然に犯罪になる訳ではありません。一方,女性に全く応じる気が無いにもかかわらず性行為を敢行すれば強姦や強制猥褻(刑法177,176条)などになり犯罪です(後者をセクハラと呼ぶか呼ばないかは別の次元)。
しかし,法律的には民事法で発達した概念を冷やかし半分の話(刑法概念と民法概念)とごっちゃにして何でもかんでもセクハラと呼ぶ風潮があります。この結果言葉の意味内容が変化しつつある状況かもしれませんが,あくまでも犯罪というからには刑法や軽犯罪法や各地方の条例などの条文によって犯罪を規定する行為に該当しなくてはなりません。
相手方の主観だけで犯罪かどうかが決定されるものでは無いのです。
勿論,キスをするという行為に際し,双方が好意を持っていれば愛情表現として犯罪にはならず,一方が嫌悪感や不快感を抱いていれば強制猥褻という犯罪に該当します。が,これはセクハラの概念が生じる前から当然に区分がなされていることであって,キスに応じるという同意があれば犯罪にならないことは当たり前です(法益の侵害が無い)。
仮に強制猥褻等もセクハラと呼ぶことを前提としても「セクハラであれば犯罪である」ということではなく「セクハラ行為の中には犯罪行為に該当するものもある(該当しないものもある)」といった理解とするのが正解です。
かっこいい人がやっても犯罪にならないのではなくて,かっこいい人だと女性に好意を持たれやすいということは言えます(その結果やらせてあげるなどの話になれば法益侵害ではなくなることになる)。不公平ですが仕方ありませんから,羨ましいと思う方は,せいぜい高学歴や高収入を目指して精進するほかないでしょう。
お礼
やりたいなどとは全く書いてませんが ひがむのは個人の勝手です