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立ち退き交渉中のアパート家主が民事調停を行えるか
- 都内の古いアパートの家主が建物の老朽化のために建て替えをする予定です。
- 残り1部屋の入居者との立ち退き交渉が不調に終わっていて、民事調停ができるかどうかを知りたい。
- 解約通知書は渡したが返され、具体的な解約日も話していない状況で、立退料を提示しても相手方に逃げられているため心配している。民事調停で話し合うことは可能かどうか知りたい。
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立ち退き経験有りです。 遅かれ早かれ民事調停は行えますが、 相手が立ち退きに同意しない限り3ヶ月以内に退去させるのはほぼ不可能です。 仮に今すぐ民事調停を行ったとしても3ヶ月どころか1年以上は軽くかかります。 なぜかというと、立ち退き料による契約解除を調停で成立させたとしても、 契約を解除したからといって居住権が無くなるわけではないからです。 契約解除されてもまだ居住者は居住権により建物を占有し続ける権利がありますから、 それに対抗するための強制執行の手続きを行わなければいけません。 で、その強制執行にはものすごくお金と時間がかかります。 まず必要書類を揃えて前払い金(数万~十数万)とともに申請。 ↓ 数ヶ月後に執行官が現場に言って、「退去しない場合は1ヶ月後に強制執行」という通告がなされます。 ↓ そして1ヶ月後に立ち退いて無かった場合は強制執行の準備。 1週間~2週間後には強制執行が行われます。 しかしこの際の費用はほとんどすべて家主持ちです。 家財道具を運び出すのに執行官が一つ一つすべて記録し、 施錠されてた場合にカギを開けるためのカギ屋が同行し、 なおかつ壊さないように運び屋が指定の保管場所へ運び出します。 手続き無しに運び出したり壊したりすれば刑法違反で罰せられますので。 これらの費用が、一戸建てだとだいたい100~150万円ぐらいかかります。 もちろん申請に弁護士を使う場合はその費用も別途かかります。 なので、「3ヶ月以内に退去して欲しい」「立ち退き料は家賃1年分」というのは ちょっと考えが甘いかもしれません。 相手の方がどのぐらい住んでたかわかりませんが、 10年居住でも立ち退き算定は100万以上が普通です。 私の場合は20年住んで250万円+引っ越し費用で合意しました。 これでも交渉してかなり妥協した結果です。 調停になれば正規の立ち退き料+執行費用150万円ほどかかって しかも退去するまでに2年ぐらいかかってしまうわけですから、 大家は150万円上乗せしてでもすぐ退去して貰うほうを選ぶほうが得ですよね。 家賃延滞などの場合は別ですが、質問のようなケースでは圧倒的に借り主が有利ですので、 立ち退き料さえ払えば済むと思って調停を起こそうとしているのならお勧めできません。
補足
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。 とりあえず、この案件の場合でも民事調停はできる。司法の判断は仰げると言うことですね。 居住権が強い権利だということは十分かってるのですが、6ヶ月以上前にお話して、向う1年間程度の家賃を負担し、引越し先も容易に見つかる時代に、借主から権利を主張されふっかけられているのがとても納得いかずにおります。民事調停が可能で司法が判断したのであればその額が自分の考えた金額よりもはるかに高くても法が判断したのならば気持ち良く払いたいのです。両者とも弁護士に依頼し弁護士の腕次第というのはちょっと違う気がして、貸主と借主で公平に話し合いの出来る場が民事調停かと思いました。