新聞各社の社説を読むと、敗因分析は以下のようになってます。
消費税自体を国民が嫌った:1紙(日経)
消費税の説明が揺れた:2紙(朝日、読売)
改革が有権者の期待に届かなかった:1紙(毎日)
ばらまき政策が有権者に否定された:1紙(産経)
消費税への国民の拒否反応を主要因としているのは日経だけです。消費税の中身よりも説明不足が響いたとしてるのが朝日と読売(珍しく見解が一致している)。毎日は消費税よりも改革の姿勢に問題があったとしています。私は毎日の社説に一票。産経も消費税より政策の問題としていますが「ばらまき政策」が本当に嫌われたのかそこはやや疑問。
ところで消費税(説明不足を含む)を敗因とした3紙と、政策の問題であるとした2紙の社説の間には、一つ決定的な違いがあります。消費税主犯説の3紙は、みんなの党について社説で全く触れていないのに対し、政策説の2紙はみんなの党が民主党への不満の受け皿になったと言及している点です。
私は、今回のみんなの党の躍進は、民主党の政策(マニフェスト実行)のもたつきぶりを見かねた有権者がかなり流れたと考えています。その点からも、今回の民主惨敗の原因は消費税ではないと思います。消費税主犯説の3紙はみんなの党の躍進を分析しきれなかったので、今回の選挙の注目すべき結果の一つであったにもかかわらず、何もコメントできなかったのではないでしょうか。
■ご参考 各社の敗因分析
朝日新聞:消費増税での菅首相の「説明不足や発言の揺れ」が大きく響いた、と主張。一方で、自民党の得票が伸びているので、消費税そのものの議論は国民は受け入れると。
読売新聞:朝日同様、税率アップの狙いや使途などについて十分説明を尽くさず、低所得者対策に関する発言も揺らいだ点を強調。一方で「政治とカネ」の問題、普天間問題の迷走、子ども手当などバラマキ政策の行き詰まり、を前政権の失政として一因に挙げる。
毎日新聞:消費税よりも、予算の無駄遣いの根絶や公務員改革、政治主導など掲げた改革が有権者の期待倒れだった点を重視。みんなの党の主張「増税の前にやることがある」を引用。
日経新聞:消費税は低所得者が相対的に負担が重くなる逆進性が高いなどの批判を浴びた、と消費税が争点だったとの認識。
産経新聞:従来のばらまき政策を基調とする国益を無視した一連の政策が国民の信を失ったことを重視。消費税については、菅首相の発言のぶれも敗北の大きな要因と。
お礼
各社の敗因分析は参考になります。 各党のマニュフェストじゃありませんが、違うだろとかそうだよなとか思いながら読みました。