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比例???
今回の衆議院選挙で小選挙区で落ちても比例で救われる? だったら小選挙区の定員を増やせばいいだけでは? そもそも「小選挙区」、「比例」に分ける意味って? また、党の幹部だったら「比例名簿」はいつも上位?当選確実では? 分からん!分からん!(未成年)
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- tyr134
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さきの質問番号:5252207でも回答したtye134です。 http://okwave.jp/qa5252207.html 締め切られてましたんで、こちらで答えさせてもらいますね。 >今回、公明の太田代表は落選ですか? >比例に重複してなかったのでしょうか? 下記のニュースを読むと、もともと「重複立候補者をたてない」という方針をとっていたようです。 で、今回は与党への逆風が強く、重複するかどうかに注目が集まっており、公明党内でも検討した結果、今まで通り「背水の陣」で望むとして小選挙区のみの立候補となったようです。 まぁ、本人はまさか落ちるとは思っていなかったのかもしれませんね。 ===下記引用=== 公明、太田代表も「背水の陣」 重複立候補見送り 2009/08/16 15:49 【共同通信】 衆院選で東京12区に立候補する公明党の太田昭宏代表は16日、比例代表に重複立候補しない意向を固めた。 (中略) 公明党は「現場の士気を落とす」として2003年と05年の衆院選では重複立候補を認めなかったが、今回は与党への逆風を考慮し見直しを検討。特に太田氏については「万が一でも代表が議席を失うわけにはいかない」として、比例東京ブロックにも立候補すべきだとの意見が出ていた。しかし最終的に「しっかり活動すれば小選挙区で当選できる」との分析に加え、「比例で復活当選しても代表としての影響力低下は免れない」と判断したとみられる。 (以下略) http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009081601000273.html ===引用以上=== >今回の衆議院選挙で小選挙区で落ちても比例で救われる? これは、「今の法律が認めているから」としか言いようがありませんね。 まぁ、党として落としたくない重要人物を救える可能性があるので、こうなってるんでしょうかね。 いろいろ問題の多い制度の一つですね。 >また、党の幹部だったら「比例名簿」はいつも上位?当選確実では? これは、その政党の考え方によるとしか言いようがありません。 自民党のように「重要な人は重複立候補させるが、70歳以上は認めない」という政党もあれば、公明党のように「現場の士気を落とす」ので認めないという政党もあります。 >だったら小選挙区の定員を増やせばいいだけでは? >そもそも「小選挙区」、「比例」に分ける意味って? まず、「小選挙区」「比例」に分ける意味についてです。 今の制度は「小選挙区比例代表並立制」と言い、1996年の衆議院選挙から採用されています。 意図(建前)としては小選挙区制のデメリットを比例代表制で補おうというという仕組みとなっています。 以下に、それぞれのメリット・デメリットを箇条書きにしてみます。 「小選挙区」というのは、それぞれの選挙区で一番得票率が高かった人が当選となります。 こうした選挙方式を「多数代表制」と言います。 つまり、「多数」の人に支持された「代表」を選ぶ制度です。 この選挙方式は、 メリット ・一番得票を得た人が代表として選ばれるのでわかりやすい ・選挙区が比較的狭い地域で区割りされるため、有権者と立候補者の意思疎通が図りやすい ・(選挙区が狭いので)選挙運動にかかる費用が抑えられる。 ・自分の選挙区で、一番多い票をとった人が当選するので、「その選挙区の代表」が集まっている政党の「正当性」が増す ・二大政党制になりやすく、比較的政権が安定しやすい デメリット ・一区に一人しか当選出来ないため、二位以下の票は必然的に「死票」となる ・「相対的に一番多くとった人(過半数ではない)」が当選するので、得票率30%しかなかった人が本当にその区の有権者の意志を反映してるとは言い切れない ・選挙区割の時に、与党側が自分たちに都合言いように操作する可能性が高くなる(これをゲリマンダリングと言います) ・二大政党制になりやすいので、少数意見が反映されない 「比例代表制」は、政党の得票率に応じて議席を割り当てる方式です。 たとえば、A党は一番多くとったから5議席、B党は3議席、C党には2議席、D党には1議席などなど。 そして、各政党は順位をつけた名簿を提出し、その上位から当選が決まっていきます。 順位の付け方は、党に任されていますね。 ただ、「同一順位」というのも認めていて、その場合「苦敗率」で決まるようになっています。 メリット ・全国、またはなるべく大雑把に区切られた選挙区内で、得票数に応じてその政党に議席数が割り当てられるので、「得票数=民意=議席数」と対応し、民意を反映しやすい ・多党制になりやすく、少数政党によって少数意見の人々の意志も反映される ・政党への支持なので、有権者は政党さえ選べば済む デメリット ・必ず「政党単位」で立候補しなければならないので、無所属の人は除外される ・多党制になりやすいため、政権が混乱することがある ・得票率と議席数を対応させるために複雑な集計手続きを踏まなければならないので、煩雑で分かりにくい(苦敗率とかその典型ですね) ・政党への指示なので、どんな人が当選するかは必ずしも明確ではない といった感じでしょうか。 そして、日本では小選挙区制を導入するときに色々と議論が重ねられ今の「小選挙区比例代表並立制」になりました。 その意図(建前)としては、小選挙区制のデメリットを、比例代表制で補おうということです。 で、国会の議席を「小選挙区からは300議席」と「比例代表区からは180議席」という風に分けそれぞれ選ばれます。 300議席分は小選挙区の有権者を代表する人、180議席分は全国(あるいはブロック)の有権者の政党の支持を率を反映しており、政党は与えられた議席数分、代表者を送り込むといった感じになりますね。 因みに、「二大政党制」と「多党制」のどちらが良いかというのは、一概には言えません。 というのも、どちらにもメリットがありデメリットがあるからです。 そして、なぜかそのメリットがそのままデメリットだったりします。 例えば、「二大政党制」をみてみると、A党かB党かという二者択一なので非常に分かりやすいといえます。 しかし、選択肢が二つしかないので、選択の幅が狭まるということになります。 つまり、「二大政党」のメリットが、そのままデメリットになるわけです。 これは、多党制についても言うことができます。 で、「二大政党支持派」は「小選挙区制」を支持し、「多党制支持派」は「比例代表制」を支持する傾向にあります。 まぁ、選挙制度というのは(民主制である限り)その国のあり方を決める重要な制度です。 ゲリマンダリングのように、政党に都合の良いように使われて良いようなものではありません。 国民が選ぶべきモノです。 しっかりと理解して、政治家のご都合に振り回されないようにしましょ。 、、、ってワケでもありませんが、最後に参考図書を紹介しておきます。 R.A.ダール『デモクラシーとは何か』中村孝文訳 岩波書店 ISBN-10 4-00-002718-2 池上 彰『政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り』海竜社 ISBN-10 4759310134
- syusuran_j
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例えば、1つの選挙区に、自民と民主と、その他の小さな政党の候補がいたとします。 小さな政党の新人候補が当選する可能性はかなり低いです。 でも、その政党を支持している人だっている訳ですよね。 その比率が「民主5:自民3:@@党2」だったとします。 定数1の場合は、10の選挙区で同じような比率になった場合、当選するのは民主10人だけという事になります。 残りの5割の票は無駄になってしまいます。死に票です。 定数1を2に増やしたところで、2割の票は議員の数に反映されません。 これが、小選挙区制の欠点ですね。 利点は、民意が反映されやすい…という事でしょうね。 今回のように、みんなが民主に流れると、一気に勢力図ががらりと変わるので。 「とりあえず民主にやらせてみよう」という世相の雰囲気が、ダイレクトに反映される訳です。 でも、取りこぼしも出てしまう訳です。 そこを救済するのが「比例区」ですね。 「北海道」とか「東海」とか「九州」とか、ある程度の大きな区切りの比例区を用意すると、比例区では「民主5:自民3:@@党2」という比率が、そのまま反映されます。 それから、順位を付ける事もありますが、「惜敗率」というのもあるのですよ。 とりあえず、小選挙区で当選した人はリストから除外されますので、比例区の候補は、小選挙区で落選した人が多い訳です。 で、同率の候補がいる場合、その中で順位を付ける方法が、どれだけ小選挙区で戦った当選した議員と、票数が近かったか。という事が当選順位に反映されます。 個人的には、以前のような中選挙区制位がちょうどよいのではないかと思ってますけど…
お礼
回答ありがとうございました。 民意の反映ですか。 勉強しました。
- pasocom
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各政党が得票した票数に応じて議席を獲得する、というごく当然のようなことを実現するには実は「比例」制度のほうが遙かに優れているのです。現実に総選挙の比例区での獲得議席数は、かなり獲得票数に比例していますね。 しかし、この方法では、いろいろな政党がちょっとずつ議席を獲得して大政党が生まれにくい、また政権交代がしにくい、というので取り入れらたのが「小選挙区制」なのです。これですと各選挙区で最も支持を集めた1政党だけが議席を獲得でき、2番手以降の政党は全て議席が取れません。よって一番人気の政党がダントツで勝利できる可能性が高くなるのです。(今回実感されたと思います)。 このような方法では実はかなりの死票(むだになる投票)が生まれ、従って多様な民意を反映するものにはなりません。そこで小政党にも配慮して比例制も一部に取り入れていると言うわけです。 欧米先進諸国ではこの小選挙区制が取り入れられ2大政党化が進んでいるので日本もまねをしたまでですが、その欧米でも最近小選挙区制の弊害である多様な民意の封殺が問題視され、比例制が拡大する傾向にあります。 >党の幹部だったら「比例名簿」はいつも上位?当選確実では? 党の幹部といえば実力者ですから、本来ガチンコ勝負の小選挙区で勝ち上がる実力があるはずです。そういう人が比例で当選してしまうとせっかく党に分配された限りある議席数がもったいないことになります。ですから、本来実力のある幹部などは小選挙区に立候補した方が党としては議席を多く獲得できる可能性が高いわけです。ただし、万一小選挙区でコケると目も当てられませんから保険として比例重複立候補するのです。
補足
追記します。 今回、公明の太田代表は落選ですか? 比例に重複してなかったのでしょうか?
お礼
回答ありがとうございます。 ご丁寧な解説に痛み入ります。