何回か書いたのですが、指輪を読破されたなら、トールキンがその直後に書いた
ギャグ
農夫ジャイルズの冒険 はオススメです(評論社 トールキン小品集)。
ドラゴンも、巨人も、伝説の剣も、王も、騎士も、でてくるのですが、物の見事に立派な、お笑い小説になっています。
ただし、読後感は非常によいのと、言語学者だったトールキンの本領がさまざまな所で発揮されているので、軽佻浮薄な作品ではありません。
あと、ゲドを読破されたのなら、グウィンの「夜の言葉」岩波書店、はオススメです。お話ではなく、グウィンの小説作法をつづった本なのですが、ジブリのおかげで絶版だったのが再販になりました。グウィンの作品がどのようにしてできたのか、非常に興味深い本です。
あと、エーリッヒ・ケストナーはどうでしょう。
まず「エーミールと探偵たち」から入ってください。
ケストナーはこの作品の頭「はなしはまだぜんぜんはじまらない」で、なんか「えらいヒゲを生やした児童文学博士」が、「こどもは南洋冒険小説をよむのだ」という言葉にのせられ、自分も海洋冒険物書こうとして四苦八苦します。で、原稿が進まないと悩むと、知り合いの女の人が泣いてくれたのですが「彼女は夕食の支度があるといって行ってしまいました。女性なんてそんなもんです」とますます悩む。
そして食堂に行った。おそらくケストナーより学のない給仕長が
「へぇ。ご苦労ですね。で、なんで身の回りの事を書かないんです?」
「つまらないじゃないか、そんなの」
「……ウチのこどもたちは、食い逃げのハナシや、ご婦人がソースひっくりかえしたハナシとか、夢中になって聞きますよ。あなたもわたしもみな、こどもだった事はあるのだから、彼らのハナシを事実を混ぜて書いたらいかがです?」
ケストナー、オススメです。ぜひ。
お礼
ケストナー、面白そうです。 このレビューだけでとても読みたくなりましたw エーミールは昔々に呼んだ記憶が…もう一度読み返してみようかな。 よさそうな本をたくさんありがとうございました。 今からなんだかわくわくしてきます。 さっそく読もうと思います、回答ありがとうございました。