獣医師でウイルスに専門知識を有します。
「持っている」の定義が曖昧なのですが、インフルエンザウイルスの自然宿主としてその動物種で感染環が成立しているもの、とします。
この定義では、「インフルエンザを持っている動物」は、鳥類と豚、馬及びヒトの4種類となります。鳥類でも厳密には「持っている」のはカモ等の水禽類になります。まあ野鳥に関しては「持っている」可能性はありますけどね。
鳥類でも鶏などの家禽は、たまに感染して群あるいは地域で蔓延することはありますが、その都度防疫活動によって排除されるので「持っている」とはちょっと言い難い状況になります。
犬についてはインフルエンザは持っていません。
犬や牛等にパラインフルエンザというウイルス性の呼吸器症がありますが、この原因ウイルス(パラインフルエンザウイルス)はインフルエンザウイルスとはまったく別物です。
犬や猫などの食肉目に関しては、インフルエンザウイルスは感染しないというのが定説です。東南アジアの鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が動物園のライオンなどに感染した例はありますが(感染して死亡した鶏を餌に与えたらしい)、レアケースです。