香港は「一国二制度」と呼ばれる「高度な自治」体制が敷かれています。すなわち、香港は1997年7月1日以降の50年間、それまでの資本主義体制を維持することが、1990年3月の全国人民代表大会で採択された「香港特別行政区基本法」にて認めらています。社会主義体制を大前提とする中国政府の枠内に、もう一つの制度である自由主義体制を並存させたという意味(「一国二制度」)は、単なる「自治」とは違い「高度」なわけです。
「自治」と呼ぶからには特別区内では、その住民がある程度の権限をもちます。ですが、完全に共産党の支配下にないというわけではありません。先の基本法には、中国中央政府に概ね5つの権限を留保しています。
1.外交権 2.防衛権 3.特別区行政長官等の任命権 4.緊急事態の決定権 5.基本法の解釈及び改正権
逆に特別区には特に次の分野で自治権が保障されています。
1.「統治権能」の高度自治。 独立した司法権、終身権、立法権をはじめ、香港は既存の法体制を維持し、高度の行政、立法、司法の諸権限を行使することができる。
2.香港住民の「権利・自由の保障」における高度の自治。 「国際人権規約A・B」、ILO諸条約の香港での適用をはじめ、香港住民の政治的・経済的・文化的諸領域における基本的権利、自由の保障。
※中国本土では保障されていない 香港返還前に香港で適用されていた条約は引き続き適用され、中国が参加する条約は香港特別行政区の意見を諮った上ではじめて適用可能。実際、現在香港に適用されている多国間条約、協定213のうち、3分の1強にあたる76が中国大陸に適用されず、香港の独自性を例証している。
3.経済的諸領域における高度自治。 香港は大陸とは独立した税制を実施し、中国政府に納税せず、中国政府も香港における独自の徴税を行わない。また、貨幣の発行をはじめ、香港は独自の貨幣、金融、為替政策を実施する。さらに独自の関税制度も保障される。
4.一定の外交的権能の保障。 国防と外交は中国中央政府の管轄権限であるが、基本法は香港にもある程度の外交権限を保障している。
結論として、「完全な自治」として共産党の支配を逃れているかというと、大事な部分は共産党の権限がおよぶようになっているというところでしょうか。
お礼
詳しい説明を有難うございました。 何だかはっきりしない北京と香港の関係と言えるのでしょうか。 と言うか香港は中国の中で一番中国化出来ないエリアであると言う 事で北京の苦しい対応が垣間見えます。 結論として中国の中で唯一「半独立国家的存在」と言う事でしょうか。