著作権上問題となる「複製」と、許される「引用」とは、よく誤解・混同されるところなのですが、
「引用」とは、たとえば、評論家が執筆した文学の評論など、それそのものがオリジナリティのある著作物の中で、批評対象の作家の文章を自身の評論を展開するうえで必要なために引用するケースがあてはまります。
ポイントは、量的にも質的にも、「主」はあくまでも評論家自身が書いた文章であって、引用文は「副」あるという点です。
マンガの場合でも、「戦後のマンガの歴史」とか、「日本のマンガがフランスコミックに与えた影響」といった評論を執筆し、その中で批評のうえで必要なマンガを掲載するケースであれば、「引用」を主張できるケースもあるかと思います。
ただ、文章は限りある文字・単語の組み合わせでなっていますので、長文の小説の中から1文あるいは1文節だけを抜き出しても、そこに高いオリジナリティを見出すことが困難なのに対して、マンガなどの場合は一こまだけ、抜き出しても、比較的、容易に高いオリジナリティを見出せるという違いがあります。
そのため、小説などよりも、厳しく判断するケースが多いようです。
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ご質問の「ある作者さんが出したクイズ」の回答を解説するために、その作者のマンガを掲載するというのでは、それを「引用」と主張することは難しく、「複製」とみなされる可能性が高いのではないかと思います....少なくとも、出版社や著者はそう主張するはずです。
ただし、著作権上の問題は「総論」では解決できないケースも多く、それゆえ、しばしば、専門家の間でも意見が分かれて、裁判となっています。
ご質問の件もやり方次第では「引用」を主張できるかも知れませんが、少なくとも、誰もが「これは引用で、問題ないな」と迷わずに断定できる方法は存在しないと思います(あったら、この種の問題に誰も悩んでいないでしょうから)。その点をご理解戴ければと思います。
お礼
回答ありがとうございます!! 実は、ある作者さんがクイズを出したのですが、その解答がどこにも示されていないので、その答えをつくるために、出された問題(絵)を掲載して分かりやすく、解説したいのです。 こういう場合は、どうでしょうか? 確か、批評などの場合は、ある程度自由に引用したり、写真を掲載したりしてもいいような話を聞いたような気がするのですが、解答作りはどうなんでしょうか??