女性教師が袴を着用するのは、まだ女性が仕事をするのが当たり前でなかった時代のころの名残です。
着物が日常着であった時代、袴をはくことで着物でいるより活動的に動けました。活動的な女性は袴をはいて乗馬や自転車に乗ったりしたのです。女に学問はいらないと言われていた時代に、女学校へ通う快活な女学生は袴をはいて通学していました。女学校を卒業した博識の女性が家事手伝いでなく職業婦人として活躍するようになります。その仕事の一つが教師です。昔は袴をはく=職業婦人あるいは学校関係者というイメージだったのです。なので教師の和装の正式な姿は袴姿と決まりがあるわけではありません。
袴がなければ(着用したくなければ)洋装(スーツ)で今の時代は問題ありません。ただ、訪問着や色無地ですと、生徒の父兄と区別がつきにくく、先生としての威厳を表現する上でもあまり好ましくないと思われます。