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ドレスシャツ
・ドレスシャツの袖や背中がギャザーになっているものを見ますが、それが本式のドレスシャツなのでしょうか? ・昔のシャツは首回りに対して見ごろが大きい(ダブダブ)ように思えるのですが、最近のシャツが細すぎるだけでしょうか? ・タブカラーやピンホールカラーのシャツは英国では着られているのでしょうか?ワイドスプレッドのイメージしかないのですが・・・ ・よくシャツの袖の長さはカフスがジャケットから少し覗くくらいと言われますが、私はきれいにカフスが覗いたことがありません。オーダーするしかないのでしょうか? 以上、質問が多岐に渡りますが、よろしくお願いします。
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ニューヨークから失礼します。 (1)ギャザーの方が確かに多少の手間もかかり、よりエレガントな 外見な感じもし、かつ手の温もりのようなものさえ感じられるのかも しれませんが、これはあくまでも作風とディテールについての好みで あり、よってそのような部分がギャザーであるからと言ってより本式 ということではないと思います。 例えば、ブルックスブラザーズのOwn Makeのシャツについては、 基本的にマシンの部分が多いわけですが、袖口の部分については 伝統的に手で寄せて作り出したギャザーであります。かつて 新宿I百貨店の担当をしていた際、右と左の袖口のギャザーの数が 違うとのことで御客様から、いわゆるクレームが発生したことが ありましたが、大変日本人らしいと思いました。 量産品について部分的に手でやっているのですから、そういうこと も起こりえるし、担当の職人さんによっても微妙に数も異なるし、 むしろ手仕上げの味のようなものだと思うのですが。 現在では、そのような部分について、日本においても多少の理解が 生まれてきたようにも思います。 また、横浜信濃屋さんのシャツは、確か袖も背中のヨークの部分も ギャザーでしたかね。個人的には好きなシャツのひとつです。 (2)確かに昔のシャツの方が身頃はたっぷりしていました。 と、いってもいつの時代のことを意味されておられますか?1920年代 から1930年代については、まだシャツがポップオーバー(かぶり式) のものがけっこうあったので必然的に身頃はたっぷりしていました。 また、1980年代から1990年代前半までは、所謂ソフトスーツの影響も あって、シャツは今よりずっとたっぷりしていました。というか、 シャツが着こなしの土台となるわけなので、ピッタリしたシャツには 当然タイト気味のカットの服を合わせることになるわけですし、 逆にたっぷりしたカットのシャツには、ゆったり目のカットの服を 合わせるのがセオリーです。試しにダブダブのシャツにタイトな服を 合わせてみて御覧なさい。とてもでないが気持ち悪くて着れませんよ。 (3)タブカラーやピンホールのシャツがロンドンで流行したのも 1920年代から1930年代だったかと思いますが、より人気が出たのは ニューヨークなのではなかったでしょうか。現在は世界的に スプレッドカラー全盛ですが、それでも近年少しづつ角度が狭まり、 襟腰も低くなりつつあるようです。要するにシャルベ風のシャツが 流行になりつつあるということです。ま、流行などどうでもいいこと ですが、両カラーについて、個人的な見方ですが、今でも ニューヨークの方でより見かける襟型だとは思います。この両カラー については、ネクタイを持ち上げ、強制的にRをつけることによって 着用者に威厳というか、立派さというか、迫力を出すことにポイント のひとつがあるのですが、私の会社においても、国防長官ならぬ ”攻撃長官”と言われたダン ラムズフェルド氏のシャツを 納めていたことがありますが(首のサイズが大きすぎた...)、多少 氏の迫力を醸し出すのに役に立っていた気がしないでもありません。 (4)まず間違いなく、シャツの袖丈が短すぎるか、上着の袖が 長すぎるか、もしくは両方のコンビネーションのどれかであることは 間違いありません。人間の腕はbend、曲げた際に15%から20%の ボリュームアップ(細身の日本の方だとどうだかわかりませんが)と なりますが、多分日本ではあまりこのことは計算されていないのかも しれません。袖口のボタンをはずした際に、小指の付け根の関節の グリグリの部分がカバー出来るかどうか確認をしてみてください。 もしそうでなければ袖の長さが短すぎます。勿論、袖口自体の手首へ のフィット加減も大切です。ボタン止めであれば、ボタンの位置が 緩すぎないかどうか確認、緩すぎるならキツ目に付け直しましょう。 カスタムメイドのシャツについては、こうした部分についても細かく 注意するものです。そして特にここ何年か、NYの若手トレーダーなど は腕時計が巨大化しており、時計をする側のカフスをかなり大きく サイズを取るケースも増えています。このようにフレンチカフス のものであれば、オーダーをするのもひとつの手だと思います。
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- Aoki Ken(@kenaoki)
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No.1です。残念ながら既製品でギャザー入りのシャツを出している 会社についてはそれほど存じてはおりません。信濃屋さんのものが 印象的であったので覚えていましたが、私が持っているものは 26,7年位前にビームスが、当時リチャード・ジェームスがバイヤーを していたロンドンのブラウンズと、マーガレット・ハウエルのシャツ をコピーしたもので、出来たばかりのインターナショナルギャラリー か何かで売っていたものを気に入って何枚も購入しましたが、以降 あまりギャザーの入ったものは見かけていません。(最近では、数年 前にアンナ・マトゥオッツォの既製品であったようにも思いますが) ひとつ申し上げておきたいことは、あまりギャザーを用いすぎると 現代的な目で見た場合、少々フェミニンな、はっきり言えば女性の ブラウス的なニュアンスが出てきてしまうことがあることです。 上流階級、特に英国では、貴族またはジェントリー階級のこと と同義であり、彼らは平時には特権階級として優雅な生活を送ること が出来ますが、いさ国難とあらば、先頭を切って軍を率いていかねば ならぬ立場でもあり(ここが”血”を忌み嫌う日本の貴族と決定的に 異なるところです。)、そのためどうしてもその外見、趣に こざっぱりとした”力強さ”が求められるのです。つまりこれは ズバリ軍服的ニュアンスを意味し、男の服、紳士服のルーツと いうものは、極論すればミリタリズムとオックスフォード・ ケンブリッジに代表されるアカデミズムの2つのうちのどちらかに あると言えるのです。(こういう物事の本質を理解していないが 故にいつまでたっても日本の政治家や経済人の格好は世界のモノ笑い の種になるのです。)そうなると、やはりプリーツの出番となって こざるを得ないこともあるわけです。特にトラウザーズが見栄えに 加えて立ち座りなどの機能をも求めた結果、深いプリーツを 取るようになり、日本語で言えば全身各部のディテールの”共鳴” とでも言えばいいのでしょうか、同じようなプリーツ仕様が例えば 上着の背中(ピンチバック等)や、ヴェストフロント部、そして シャツの袖口や背中等にも現れてくることになったのです。 作風の違いと言えば、欧州大陸サイドのカスタムシャツ(俗に 日本で言う”オーダーシャツ”のこと)については、上着と同じく 左右の肩の傾斜角などの違いについて、中央部にてスプリットする ことなく、あえて一枚のヨークにて表現し、また全くプリーツや ギャザーを取らない仕様もけっこう見かけます。これはこれで極めて シンプルでいいとは思います。 話がずれてしまいましたが、欧米のカスタムショップにおいては 自店の流儀は流儀として、あまり変えたがらないところが多いよう にも感じており、その点、日本のお店の方がフレキシブルな対応を してくれるかもしれませんね。帝國ホテル地下の谷シャツ商会など に問い合わせてみられては如何でしょうか。
お礼
ご返答ありがとうございます。ギャザーのシャツを扱っているお店はやはり珍しいんですね。カスタムでの注文を検討したいと思います。フェミニンな印象になってしまうというのも興味深かったです。確かにプリーツのほうがすっきりして男らしいですね。谷シャツ商会、覚えておきます。何度も丁寧な回答ありがとうございました。
お礼
ギャザーのシャツ、ハンドメイドのぬくもりが伝わってくるようで魅力的ですよね。ただ、売っているところが少ないので困っています。信濃屋さんは存じ上げていますが、おいそれと買いに行ける距離ではありません。フルギャザーはオーダーでも応じてもらえるデティールでしょうか?既製品で売っているところがあれば教えていただきたいのですが・・・シャツは上着とのバランスが大切なんですね。確かに考えてみれば、ゆったりした身頃のシャツに細身のスーツは着心地が悪いですよね。ピンホール、タブカラーはさりげなく主張できるアイテムとして気になっていました。ラムズフェルド国防長官が愛用していたとは知りませんでした。氏の雰囲気にぴったりですね。シャツの袖丈はやはり既製品では短いようですので、オーダーを検討したいと思います。