児童心理学を少し勉強しました。今は不登校のお子さんにボランティアでカウンセリングをしています。
なぜここまで不登校が増えてしまったのか・・・・背景には親子関係の密接化と対人関係の不器用さが絡んでいると思います。
核家族化し、祖父母の眼差しが家庭から消え、『他人は何をする人ぞ』という風潮の中で地域での関わりが消え、昔の子どもと比べると今の子どもは圧倒的に人と触れ合う経験が乏しいのです。
私には子どもがおりますが、小学生でも今は公園で泥んこになって夕方まで異年齢の子ども達と遊ぶ姿は見られません。
強きと戦い、弱きを守る、集団のルールを教えていた『ガキ大将』は日本から消えてしまいました。
放課後の子ども達は、一人一人がそれぞれに頑張る塾にいます。
家庭は密室化し母と子が密着しています。
親の常識がすべて、親の子育てがすべての世界です。
叱られた子どもを懐に入れて慰めてくれた祖父母はいないのです。
とぼとぼ歩いている子どもに「どうした?母さんに叱られたか?」と声をかけてくれる八百屋さんはいないのです。
子どもが多くいた時代には一人一人に手をかけてあげられない分、長男は勉強は嫌いだけど世話好きだから家業を、次男は職人肌、三男は本が好きだから進学をさせよう、4男は・・・・なんて、子どもの個性をありのままに受け止めて生き方を尊重してあげられました。
しかし現代は少子化のため、一人の子どもに期待がかかります。
親は何とかこの子に将来安定した職業についてもらおうとお金をかけます。
今の親は子どもにすべてを注ぎ込みます。期待も未来もすべてです。
子どもは親が大好きです。必死に期待に応えようとします。
でも、走り続けられる人間などいません。
必ずどこかで行き詰ります。
家庭で無理をしてきた子どもは学校で爆発します。問題行動を起こす子どもが増えます。
家で居場所をなくし、学校でも叱られる経験が多くなり、弱い者へとストレスが向かいます。いじめが起きます。
子ども達はもともと対人関係が未熟なものです。その上、仲間同士でもまれる経験が少ないため、喧嘩の仕方を知りません。
仲直りの方法も、仕切りなおしの方法も経験がないのです。
子どもにとっての唯一の逃げ場だった家庭が、子どもを更に追い込みます。親は子どもの将来が諦められないからです。
レールから外れる我が子を受け入れられません・・・。不安に勝てないのです。
親自身も自分の子育てを相談する場所がありません。どんどん追い詰められて不適切な対応を重ねてしまいます。
傷ついて苦しんでいる子に、登校を迫ります。
こうして不登校が長期化します。
不登校の子ども達は本当に繊細で優しい子ども達です。
頑張って走り続けてきた子ども達です。
そんな心が「もう頑張れないよ」と上げた小さな声が、不登校と言うSOSのサインなのだと思います。
お礼
経験者からの長文のご回答ありがとうございました。 確かに子供が一人という家庭が多いのでしょう。二人目が欲しくても仕事と育児の両立などから諦めるご夫婦もいるようです。 隣が学習塾なのですが、自家用車でお母さんが送り迎えされている家庭も結構あります。自転車くる子どものほうが多いですが。 親が子供に期待するのは理解できますが、やはり子供がいないと実感できません。 子供同士で喧嘩をして怪我をさせると、今や損害賠償という訴訟にまで発展していまう時代のようです。 なかなか難しい問題ですね。ご回答ありがとうございました。