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グラウンドエフェクトとは?
- グラウンドエフェクトとは、車体解説の中でよく聞かれる言葉です。インディカーや次期Fニッポンにも採用される可能性があるようです。
- 往年のグラウンドエフェクト全盛の車とは違い、現行の車は前後ウイングに分散させてグラウンドエフェクトを発生させているようです。
- 現行の車にはスライディングスカートが見えませんが、コーナーなどの姿勢変化時にはスピンが発生することもなさそうです。
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元レーシングカーデザイナです。勿論、F1は設計したことがありませんが・・・。 まずグラウンドエフェクトですが。 現行F1でもグラウンドエフェクトを利用しています。と言いますか、厳密な意味では、耐久レースマシンは勿論、GT選手権のマシンでもグラウンドエフェクトは利用されています。 要するに、グラウンドエフェクトでどれほどダウンフォースを出すか?という点が、『あの』狂った様な‘70年代後半~‘80年代初頭のF1と違う、ということです。 故に・・・ >往年のグラウンドエフェクト全盛の車よりは前後ウイングに分散させてるということからなんでしょうか? 御意。かつてのF1では車重の1.5倍に達するダウンフォースをグラウンドエフェクト『だけ』で発生させていましたが、現在はそれほど強いダウンフォースが出せません。 これはお気付きの通り、スライディングスカートやソレに類するモノ(ロータス78は最初ブラシをつけ、コパスカーF6は『カーテン』でデビューしましたね)の装着が規則上認められていないから、です。 >それでもスライディングスカートがないのでコーナーなどの姿勢変化時にスピンなど多発かと思うと 逆です。スカートがあった時代は、ハデにドリフトしたり必要以上に深く縁石に乗り上げるなどしてスカートにあらぬ方向のチカラをかけると途端にスカートがスティックし、トンクラスのダウンフォースが突然失われてコースアウトでしたが、スカートが無いと床下の負圧帯に空気が入り放題なので、クルマがどんな走りをしようとダウンフォースの変化は小さくなります。 >どの程度のグラウンドエフェクト状態になってるのでしょうか? これは難しい御質問ですね。自分の経験(・・・20年以上前、か・・・古い話ですみません)で言うと・・・グラウンドエフェクトで得られるダウンフォースは、最大(レース中の最高速走行時)でも200kgfを超えることは無かったと記憶しています。サイドポンツーンで1tを超えるダウンフォースを得ていた‘80年代初頭と比べると、あまりににもショボい効果しかありませんでした。 現在のF1ではサイドポンツーンでダウンフォースを発生させる方法が変わり(この点は後述します)、まさか20年前と同じダウンフォースってことも無いでしょうが、ただ北米のフォーミュラ・カー(インディ・リーグ・カーなど)では流体力学的概念があまりに古く見え、それほど大きなダウンフォースが得られていない様に思われます。 っというワケで最初の話に戻りますと、 >次期Fニッポンもグラウンドエフェクトになる?(調べてませんが)とのことですが、 ・・・自分、このレギュレーション変更は知りませんでしたが、これはフラットボトム規制が緩やかになり、ホイールベース間もグラウンドエフェクトに使ってよい、ということを意味しているのではないか?と思われます。勿論、ロータスのトニー・ラッドが『発見』したシーリング部材(スライディングスカートやブラシなどの、ボディサイドの床下をふさぐ部品)の使用まで認めているワケではないと考えられるので、往年のF1の様にトンクラスのダウンフォースをグラウンドエフェクトで得るのは難しいでしょう。 ところで・・・ >車体上のウネウネウィングで非常に醜い期に思えます。 車体上のリボンみたいなヤツ(ウイングレット)、確かに見苦しいですよねぇ。しかし、特にサイドポンツーンの前方付近や上方、側面などに配置されているウイングレットは、予想外の効果があります。 この話、恐らく書籍などでは解説されていないと思いますが・・・・最近のF1ではサイドポンツーンの断面形状が三角形になり、しかもバナナの様に反ってますね?コレ実は、フラットボトムでありながらダウンフォースを発生しています。そしてリボンみたいにヒラヒラしたウイングレット類は、このサイドポンツーンの効果を助ける(平たく言って、ダウンフォースを増やす)働きがあります。車体周りの空気の流れを文章で説明するのは難しいのでハショりますが、要するに現在のF1では、30年前のグラウンドエフェクトとはちょっと違う効果(原理的にはグラウンドエフェクトの派生なんですが)でダウンフォースを得ている、ということです。(更に恐ろしい?ことに、フェラーリなどはサイドポンツーンで最高速を伸ばしています。最高速を伸ばすのは空気抵抗を下げるしかない、というのがフツーの考え方ですが、今やグラウンドエフェクトの概念の応用によって、最高速を伸ばすまでに空力技術が発達しているワケです。)