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隣の部屋の人がインフルエンザみたいなのですが…
- お隣さんがインフルエンザの可能性がある場合、自分も部屋にいるだけでうつる可能性がありますか?
- 木造アパートで薄壁一枚隔てて暮らしている隣の部屋の人がインフルエンザのような症状を示しています。
- お隣さんが帰宅後、ゲホゲホゴホゴホと苦しそうな音が聞こえ、タミフルやインフルという単語も耳にしました。
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ウイルスに専門知識を有する者です。 ご質問の件ですが、感染する可能性が皆無とまでは言いませんが、あまり心配する必要はないように思います。 その理由は、インフルエンザの感染様式は「飛沫感染」といって、咳やクシャミに吐き出される唾液や気管分泌液などの"飛沫"の中にウイルスが含まれていて、それを吸入することによって感染が成立するわけで、その飛沫はけっこうサイズが大きく、それほど遠くまで飛ばないからです(飛距離の目安は概ね1mほど)。 まあ飛距離1mといっても、狭い部屋の中で咳やクシャミを繰り返せば、部屋の空気は一定の濃度でウイルスを含むことになるでしょうが、壁の隙間を通って感染させることができるだけのウイルス量が隣の部屋に行くかどうかはおおいに疑問です。 ま、壁の隙間の至近距離で隙間に向かって咳をすれば、隣室にウイルスが侵入する可能性もあるとは思いますが、そんな状況も考えにくいですし。 飛沫感染も広義の「空気感染」ですが、一般に空気感染のイメージに近いのは「飛沫核感染」です。 この飛沫核感染は、その飛沫粒子のサイズがもっと小さいため、遠くまで飛ぶ可能性があります。 まあインフルエンザウイルスも飛沫核感染がないわけではないので、ご質問の状況で感染の可能性がまったくないわけではないのですが、まあそんなことを心配するのなら、空調のダクトで繋がっているビルでは一室で感染者が出ればビル全体が危険、という理屈になってしまいますね。 少なくとも隣室から感染する可能性よりは、例えマスクやうがいをしていても外で感染する可能性の方がずっと高い、と思います。 なお、ワクチンは接種後効果が出るまでに2~3週かかるのは事実ですが、ワクチン接種後直ちに、あるいは接種と前後してインフルエンザに感染した場合、「よけい悪化する」ということは基本的にありません。 なぜならインフルエンザワクチンは「ウイルス」ではないからです。まあ「ウイルス」であったとしても、余計悪化するという理屈は成り立たないのですが。 インフルエンザワクチンは、ウイルスを殺した「不活化ワクチン」です。ワクチンには毒性を弱めた生きた病原体を接種する生ワクチンと、病原体を殺したものを接種する不活化ワクチンがありますが、インフルエンザワクチンは後者です。さらに日本で使われているインフルエンザワクチンは、ウイルスの感染防御に関わるタンパク質だけを抽出したものですので、どの意味でも「ウイルス」とは言えません。せめて「ウイルスのパーツ」でしょう。 生ワクチンは接種後、体内で病原体が増えるため、接種する量は少なくて済みます。 これに対し、不活化ワクチンは体内で増えてくれないので大量に接種しないとワクチンとしての効果が期待できません。なので注射液に含まれる「タンパク質の量」は非常に多くなってしまい、それが抗体誘導以外の免疫反応を引き起こしてしまいがちです。 これが予防接種の副反応ですが、たいていは注射部位が赤く腫れたり疼痛感があったりする程度ですが、まれに発熱などの全身症状を起こすことがあります。そんなときに本物のインフルエンザに感染してしまったら、確かにかなり酷い目に遭うでしょうね。 でもそれは少なくとも「ワクチンはウイルスだから」という理由でもありませんし、確率的には低いことです。たいていの場合は重複して感染してもワクチンがムダになるだけです。 そういったことがあるので、感染するわけにはいかない事情があるのでしたら、流行期前にワクチンを接種しておくべきでしたね。ワクチン接種しても感染を確実に防御できるわけではないので、ワクチン接種の上、マスクや手洗いといった対策を実行するのがベストでしょう(それでも100%感染阻止できるというわけではありませんが)。 なお、マスクはウイルス防除に効果があるとされているN95規格のマスクですら、ウイルス粒子よりは遙かに目が粗いです。 N95というのは、0.3μmの粒子を95%カットできる、という意味の規格です。それに対しインフルエンザウイルスの直径はだいたい100nm、つまり0.1μmほどですから、3倍もマスクの目の方が粗いです。その意味では確かに駐車スペースと車の大きさの関係は良い線いってます。ですから一般のマスクの目と比較すると、サッカーのゴールとサッカーボールくらいの差はあるでしょう。 でも、それではマスクは感染防止に意味がないのかと言えばそんなことはありません。 上でも説明したように、ウイルスが空中を漂うときはウイルス粒子単独で浮いているわけではありません。飛沫や飛沫核の中にウイルス粒子が保護されているわけです。なお、「飛沫」は粒子の大きさが概ね5μm以上、「飛沫核」はそれ以下、と定義されています。 なのでN95マスクなら非常に効果的に感染を防御できますし、普通のマスクですら一定の効果があります。 ま、ワクチンを接種するより普通ので良いからマスクをした方が感染防御には効果的、という報告を出している研究チームもありますし。まあ私は四六時中マスクをしているわけにもいかないし、手指からの感染もあり得るので、ワクチン接種もかなりの効果があると思っていますが。 手指からの感染というのは、感染者由来の飛沫が壁やドアノブなどに付着し、それを触った手指経由でウイルスが口から咽喉頭に入り・・という感染経路です。 まあこういう感染経路があり得るからこそ、「手洗い」が奨励されるわけです。 また、非常に基本的なことですが、インフルエンザに限らずウイルスは「生きた細胞の中でしか増殖できず」、なおかつ「増殖以外の"生命活動"を一切しない」微生物です。なぜならウイルスは「遺伝子が入ったタンパク質の殻」に過ぎず、その遺伝子を翻訳して遺伝情報を発現するための細胞内小器官を一切持たないからです。なので生きた細胞内に侵入し、細胞に自分の遺伝子を読ませて自分のパーツを作らせるのがウイルスが増殖する唯一の方法になります(でもその具体的な段取りのバリエーションは無数にありますが)。 ですから環境中にいるウイルスは、「タンパク質でできた単なる物体」に過ぎません。そのタンパク質の殻も、細胞なら浸透圧に逆らって水分を保持したりといった「自己を維持するためのシステム」を備えているのですが、ウイルスにはそれすらもありません。そもそもエネルギーを産生できないので(そんな器官を持たない)、そういった"生命らしい"活動は一切できません。 まあ先ほど増殖がウイルスが行う唯一の生命活動、と書きましたが、それすらも実際に"活動"しているのは感染した細胞ですから、ウイルス自身は何もしていませんし。 ですからウイルスは「停滞した空気中で増殖」などしません。環境中のウイルスは早い遅いの差はありますが、どちらにしろ「壊れる一方」の存在です。 ちなみに公的機関のサイトなどでも、「インフルエンザウイルスは湿度が低い時に活発になります」などと書かれていることがありますが、まあ言いたいことは判りますが表現としては「大嘘」です。活発ってウイルスの何が活発になるのよ。 低湿度の方がウイルスの生存性が高いという話自体、私は疑問を持っているのですが(ウイルスの生存時間そのものは高湿度の方が長くなるはず)、低湿度だとウイルスが含まれる飛沫粒子の水分が蒸発しやすくなり、従って飛沫粒子の大きさが小さくなる→遠くまで飛ぶし長時間空中を漂う、ということなのでしょう。低湿度によって多少ウイルスそのものの生存時間が短くなっても、飛距離と浮遊時間が延長することによって感染性は高くなる、という理屈なのだと思います。 なので、洗濯物を干したりといった手段で部屋全体の湿度を上げるより、加湿器で局所的に(自分の周囲の空間)湿度を上げ、かつ自分に向かうのとは反対方向の気流でも作ってやった方がより効果的かなという気もします。 ま、いずれにしろ、隣の部屋から感染する危険性はあまりない、と思います。
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- dogday
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うつる可能性はありますね。 予防接種は、2週間経つまで効きません。その間にインフルエンザにかかったときは、ワクチンもウィルスなので余計に悪化します。 一番は加湿です。一番大きい鍋に湯を沸かして、置いておきましょう。浴室の湯も風呂上がりに捨てないでそのままに。 そして洗濯物を干すか、バスタオルを濡らして干す。 これだけで加湿器なんかよりよっぽど加湿できます。 家の中では、できるだけあめなどをなめ唾液を出し、寝るときはマスクをしたほうがいいです。酒は厳禁。粘膜がアルコールで乾燥します。 換気もまめに。停滞した空気中で増殖します。 相手がタミフルを飲んだなら40時間ほどの我慢です。 安心をとって3日間は、臨戦態勢をとったほうがいいです。
お礼
ありがとうございました!
- porquinha
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マスクの網目に対するウイルスの大きさって、1区画に対する車1台くらいのものだとテレビで見た記憶が…。 (今のマスクはもっと細かいかもしれないですが) マスクの効果って、「うつらない」よりも、つばを飛ばさない、保湿する等の意味合いの方が大きいと思います。 本気でうつりたくなかったら、予防接種した方が確実だと思いますよ。 あとは加湿とか。
お礼
ありがとうございました!
お礼
詳しくありがとうございました!勉強になりました!