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アニメ・マンガ・萌え業界の勢い
- 先日、コミケ75に行ってきました。初日は当然のごとく入場規制がかかり、ビッグサイト内はどこを向いても行列まみれでした。総来場者数50万人を超えるといわれるこのイベントの現在の規模、勢いは数年前とは比べ物にならない程加速していると感じます。
- そこでこの「萌える」業界に関わるすべての人にお聞きしたいのが、「昨今の萌え業界の勢いは一過性のムーブメントでしか無いのか?それとも日本独自の文化としてこれからも発展、拡大していくものなのか?」ということです。
- 考えてみればこれはとても幸せな事ではないのでしょうか?世界中のアニメ・マンガファンが憧れる国に私たちは住んでいるわけですからここまで「萌え」という概念が発達する日本には何かしらの理由があるはずです。
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本屋です。コミック担当もしていました。 萌え、という秋葉原言葉に興味はありませんが、職業柄知り得たことを。 日本の漫画は著作権が描いた人(アイディア出した人)に行きます。ところがアメコミは、著作権を出版社が握ります。例えて言うならドラゴン・ボールの著作権を鳥山氏ではなく、集英社が握るような感じですね。描き手は何代も続くので、スーパーマンのように戦前からのヒーローもいるけれど、描き手に入るのは原則としてペイント代プラスアルファです(ただ、その人が人気を得て、その人の描いた××がよく売れるようになると、その人のヒーローを作ることができるようですが、これは例外でしょう)。おかげで日本のマンガは、日本に数少ない、履歴書が関係しなく、後ろめたくなく大儲けできる、ジャパニーズ・ドリームとなり、優秀な人材が集まるようになったからです。 また、マンガ雑誌と言う存在も大きいです。粗悪な紙ですが、何タイトルもマンガがあり、それぞれ続いたり、ゲストだったり、読み切りや、新人賞受賞作だったりします。単行本のお知らせもあります。つまり、作家を収容する受け皿と、それを消費してくれる読者に恵まれたのです。外国では最近すこし日本タイプのマンガ雑誌がでてますが、この異様な雑誌形態、しかも週刊ででる、というものの存在も、大きかったのです。 コミケについても言及されていますが、コミケ、コミティア出身のマンガ家はめずらしくありません。その人たちも最初は、マンガ雑誌、単行本を読んで、自分なりの表現を同人誌で始めて、認められたわけです。今後は同人誌の同人誌(Fateや東方)がでて、またそこからプロが生まれるでしょう。それで儲けたいと言う会社は、どんどんドラマCD、アニメを作るでしょう。そこからまた、クリエイターも出てくることでしょう。 同人誌は二次創作に甘い、という日本の著作権に対する考え方のスキを突いたもので、外国では認められないことがほとんどです。外国でもコミケのようなお祭りは増えてきていますが(フランスのが有名ですね)、ドイツでは「二次創作同人誌は売りません」という書類を、役所、警察に出さなくてはいけません。その代わり、彼らはコスプレに力を注ぎます。本当の金髪美少女がコスプレするのですから、これは絵になるでしょう。蛇足ですが、韓国、台湾でも即売会は流行り始めていますが、印刷所が少ないことや、マンガのノウハウが少ないこともあって「自分のサークル・スペースを飾りたててお客様をよぶ」というおもしろい現象が起きています(いま、韓国と台湾で日本のノウハウを持った同人誌印刷専門の会社作ったら、儲けることができると思います)。 ですから、今の「萌え」なんて、いつの時代もそれに該当する物はありました。今はCD DVDを出しやすい状況なので、玉石ありますが玉はまちがいなく存在します。それが、次の時代のお手本になって、次の時代の流行りとなるのでしょう。
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 日本と外国の著作権の違いなど、やはり日本はマンガ・アニメが発展しやすい環境におかれている少し特殊な国であることが理解できました。 やはり経験者の意見はためになります。