日本共産党は、科学的社会主義(≒マルクス・レーニン主義)に基づく共産主義社会を実現することを目標として結成された革命政党です。その本質は結党以来何ら変化していません。よく言えば愚直なまでに初志を貫徹しているともいえますが、既に生命力の尽きてしまった思想を拠り所としている以上、時代遅れの政党であることは否定できないでしょう。
日本共産党を含む世界各国の共産主義諸政党は、その最終目標を「共産主義社会」の実現に置きつつ、それを実現する具体的な手段はその国・その時々の社会情勢に応じて変化させます。
かつて、古典的資本主義(≒自由主義)が我が国を支配していた時代においては、日本共産党は、武装闘争による政権打倒を標榜していました。しかし、日本が経済大国となり、国民の多くが豊かな生活を享受できるようになった現在、武装闘争による現政権打倒などという主張が通用しないことは明らかです。このため、現在の日本共産党は、選挙を通じて国会の多数を制し、共産党政権を樹立することによって共産主義社会実現の第一歩を踏み出そうとしています。
選挙による政権交代は民意に基づく正当な政治変革ですが、共産党がこのような方式を採用しているのは、あくまでも現在の日本の国情・社会情勢に基づく選択であって、将来、情勢が変化すれば、かつてのような武装闘争路線が復活することもあり得ます。なぜなら、共産主義社会の実現という正しい目的を実現するためならいかなる手段を用いても構わない、というのがマルクス・レーニン主義者の基本的な考え方だからです(「目的は手段を聖化する」レーニン)。憲法や自衛隊に対する現在の日本共産党の考え方も、このような前提を理解した上で評価する必要があります。
現在の日本共産党の考え方は、憲法は、当面、守る(つまり、将来的にはマルクス・レーニン主義の立場に基づいて改憲)、自衛隊は、当面、存置(つまり、将来は国の軍隊である自衛隊を廃止して、共産党直属の国防軍を設置)、外交は自主独立路線(つまり、反米、少なくとも非米)を標榜しています。詳しくは、日本共産党の綱領(参考URL)をご覧下さい。
蛇足ながら、日本共産党が、目的のためなら手段を選ばない革命政党か、普通の民主政党かを見分ける簡単な視点を説明しましょう。
マルクス・レーニン主義政党の特色は、民主集中制という独特の意思決定方法にあります。これは、市町村レベルの最下層・最小単位にいては住民の直接選挙によって代議員(=党員)を選びますが、都道府県レベルの代議員(=党員)は市町村の代議員による選挙によって、国の代議員(=党員)は都道府県の代議員による選挙によって選出する方式です。市町村→都道府県→国と進むにつれて、住民の意思は希薄化され、その代りに党中央(歴史の実例が示すところによれば、共産党書記局、とくに書記長)の意思が支配する、という巧みな民意すり替えの仕組みです。普通の民主主義国が、国会議員を国民の直接選挙によって選出することと比較すれば、その違いは明らかですね。
共産党に、書記局や中央委員会という組織がある限り、その意思決定の仕組みは民主集中制であり、日本共産党も、既に滅びたソ連や東ヨーロッパの共産党と同じ反民主主義政党だとういうことですね。
お礼
ありがとうございます。自衛隊は中国の人民解放軍のような位置づけになりそうですね。共産党はまだ、昔の思想を持っているのですね。 まぁ、社民党よりはマシな気がしますが・・・。