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個人情報保護違反とは?罰則はあるの?
- 友人が会社の情報漏えいトラブルに巻き込まれています。
- 友人が誤って会社の機密情報を送り、受け取った人からクレームが寄せられています。
- 個人情報保護違反の罪に問われる可能性があり、相手が要求をしてきた場合の対処方法を知りたいです。
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個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)にいう「個人情報」とは,「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をい」います(個人情報保護法2条1項)。 社員募集への応募により寄せられた個人情報は,2条4項に個人情報取扱事業者が法定の適正な管理を行うべき「個人データ」にあたります。 個人情報取扱事業者は,あらかじめ本人の同意を得ないで,取得にあたり本人に通知した本来の利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならず(個人情報保護法16条,18条1項),その取り扱う個人データの漏えい,滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければなりません(同法20条)。 本件においては,たしかに個人情報保護法20条で予定されている管理が十分になされていなかったのかもしれません。 仮に,本件において損害賠償責任が発生するとすれば,民法709条の不法行為責任,又は同法415条の債務不履行責任(:その人の情報を適正に管理するという債務の不履行に基づく責任)が根拠となるでしょう。 民法709条は,不法行為責任について,「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」とし,また,民法415条は債務不履行責任について,「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。(以下略)。」として,ともに損害の発生を前提としています。 本件において,仮に適正な管理がなされていなかったとしても,相手方の情報が第三者に漏えいしたわけではありません。 つまり,なんら相手方には損害が発生していないのです。 相手方は,精神的被害を受けたとして「慰謝料」を主張するかもしれませんが,それは明らかに言いがかりであり,従う必要はないでしょう。 また,情報管理がきちんとなされていなかったこと自体による罰則は有りません。 本件相手方は,不採用になりがっかりしているところに,会社の内部情報を送りつけられ,「それは嫌がらせか!?馬鹿にしているのか!?」と感情的になっているのではないかと思います。 私でも同じことをされたら一言二言は言いたくなります。 丁重におわびと説明を繰り返す一方で,金銭的要求は明確に拒否し,相手方の気持ちが鎮まり,金銭的要求をあきらめるのを待つしかないと思います。
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- 17891917
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本件「会社の財務に関する資料」が著作権や商標権などの知的財産権であれば,法律による直接的な保護があります。 しかし,本件資料は登録商標ではもちろんなく,事実やデータに当たりますので,「思想又は感情を創作的に表現した」(著作権法2条1項1号)著作物にもあたりません。 よって,会社の知的財産権として処分権が会社に独占的に帰属しませんので,データを消去すること等を請求(強制)することはできません。(裁判によっても強制できません。) そこで,結局,「本人に会って了解の下で消去の確認を行なうか、会えなければ文書で公表しないことをお願いするくらいしか方法は」ないことになります。 ただし,本件資料が,部外秘とする(会社側の主観ではなく)客観的な理由があるものであれば,相手方が,本件資料を会社に損害を与える意図をもって公表したり第三者に譲渡することによって会社側に損害が発生した場合,相手方には民法上の不法行為(709条)が成立すると考えられます。(効果として,相手方に対する損害賠償請求が可能となる。) そのためには,相手方において,その資料が部外秘であり,公表されると会社に損害が発生することについて認識している必要があります。 そこで,相手方に繰り返し消去についてお願いし,不法行為成立の前提条件を作っておく必要があります。 また万が一,相手方が,「公表されたくなければ金をよこせ」といった要求をしてきたら,「人を恐喝して財物を交付させ」ようとしたものとして恐喝未遂罪(刑法249条・250条)が成立します。 (他人が過って落とした部外秘資料を入手し,それをネタに恐喝して逮捕されることはよく耳にします。) 財物の交付を要求しなくとも,公表する旨しつこく告げれば,「名誉又は財産に対し外を加える旨を告知して人を脅迫した」として,その告げられた人(社長等)に対する脅迫罪(刑法222条)が成立します。
お礼
重ねてご回答いただき、本当にありがとうございます! なんとなく認識として持っていたことに、法的根拠が与えられ心強い限りです。 他人が誤って落とした部外秘資料を入手し、それをネタに恐喝したという例をいただいたことで、イメージもわき、対処も考えられそうです。 まずは、相手方にデータ消去をお願いしつづけ、公表されているかどうか確認をつづけ、相手方の対応いかんによっては刑法の罪が成立するとのことですので、その際の対応についても情報収集していきます。 頭がスッキリしてきました、ありがとうございます。
お礼
さっそくのご回答に感謝します。 専門的知識をお持ちの方に、明確なお話をいただけて本当に嬉しく思います。 社長をはじめ、相談を持ちかけた本人にもこのように伝えてみます。 ただやはり不愉快な思いをさせたことはあると思いますので、ご回答いただいたとおり、基本的に丁重な謝罪と説明を繰り返すことと、金品の要求については明確に拒否することを柱とした態度で臨むよう重ねて伝えます。ありがとうございました。 それと、もしよろしければでよいのですが、もう一点ご相談があります。 実は先ほど追加で聞かされたのですが、どうも相手方に渡ったデータは社外秘のものだったらしく、社長と本人は謝罪とともに、データの完全消去をするため、300km離れた相手方の自宅へ赴いたそうです。ところが、居留守を使われて対応されず、データ消去には応じられないようなんです。社長はできれば相手方のPCからデータを消去し、一切公表しない約束を取り付けたいようなんです。 私としてはこういったことは本人に会って了解の下で消去の確認を行なうか、会えなければ文書で公表しないことをお願いするくらいしか方法はないと思うのですが、何かよい方法などありましたら教えていただければ幸いです。