- 締切済み
承継的共同正犯??
刑法で、Xは被害者にかるく暴行を加えていたところ友人が通りかかったので加勢を求めた。 結果的に被害者は怪我をしたが その怪我はXによるのか友人によるのか不明だった。 友人は、先行するxの暴行を利用したわけではないので、承継的共同正犯は否定する。 以上のケースにおいて、 (1)Xの罪について、傷害罪適用できますか?それは傷害の共同正犯としてですか? (2)友人の罪について、傷害罪適用できますか? できるとしたらやはり207条適用によるのでしょうか?
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- 17891917
- ベストアンサー率75% (490/652)
場合分けしたのは,ご質問内容(明らかになっていること)にどちらともとれる部分があるので,場合分けしただけです。 回答では,ご質問の内容を超えた(無視した)ことは述べていないはずです。 あと,補足の「暗中模索」等の表現から,検察官の立証活動についても論じてほしいという実務的な要請と理解しました。 暗中模索であれば,検察官としては,立証可能な絵を描いて,それにあわせた立証を行います。 訴因は,構成要件に従って構成された犯罪事実です。 成立する犯罪,単純正犯,共同正犯であることもそれぞれ構成要件です。 そこで,描く絵を下記のように場合わけして,そのうち立証可能(公判の維持が可能)な絵を訴因として選択することは,実務には反していないと思います。 本件でXや友人の罪に傷害罪が適用されるか否かは,上記の説明で,訴因たる結論と理由は述べていると思います。 あとは,その中で公判の維持が可能な絵を訴因として選択して立証する必要があります。
- 17891917
- ベストアンサー率75% (490/652)
問1 Xの罪について、傷害罪適用できますか?それは傷害の共同正犯としてですか? 解答案 (1)傷害の結果が友人参加前のXの暴行によるのかその後の共同の暴行によるのか不明な場合 友人参加後の暴行については,相互利用補充関係があり,共同正犯が成立するため,一部実行に対しても全部責任が科せられる。 友人参加後の共同暴行により傷害の結果が発生しておればXは傷害罪(204条)の共同正犯(60条)となり,その前の暴行により傷害の結果が発生しておれば, 甲は傷害罪の単独正犯となる。 そこで,Xは,傷害罪の罪責を負うが,「疑わしきは本人の利益に」という観点(憲法31条)から,本人に有利に,単独正犯ではなく共同正犯とする。 (2)傷害の結果が友人参加後の共同暴行によることは明らかであるが,Xと友人どちらの暴行によるのか不明な場合 友人参加後,二人は暴行を共同して実行していることから,暴行罪の結果的加重犯としての傷害罪の共同正犯が成立する。 問2 友人の罪について、傷害罪適用できますか? できるとしたらやはり207条適用によるのでしょうか? 解答案 (1)傷害の結果が友人参加前のXの暴行によるのかその後の共同の暴行によるのか不明な場合 友人は、先行するXの暴行を利用したわけではないので、承継的共同正犯は成立しない。よって,参加前の暴行の結果には責任を負わないとも思われる。 しかし,207条の趣旨は,適正な刑罰権実施のために検察官の立証の負担を緩和したものである。 そこで,暴行の時間と場所とが近接している限り,暴行がなされた時間が一致していなくとも「二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合」で「共同して実行し」ていないものとみることが可能である。 ここで,本件においてXと友人との間に共謀があったことから,207条の「共同して実行した者でなくても」に反するのではないかが問題となる。 この点,共謀があった場合に共謀がなかった場合よりも行為者が有利となることを法が予定しているとは考えられず,「共同した実行した者でなくとも」は「共同して実行した者はもちろん,共同して実行した者でなくても」の意味である。 そこで,暴行に中途から参加した場合207条を適用し,参加者の傷害罪成立を認めることができると解する(大阪地裁平成9年8月20日判決参照)。 (2)傷害の結果が友人参加後の共同暴行によることは明らかであるが,Xと友人どちらの暴行によるのか不明な場合 友人参加後,二人は暴行を共同して実行していることから,暴行罪の結果的加重犯としての傷害罪の共同正犯が成立する。
補足
ありがとうございました。しかし、回答にあたり設問を場合わけして導きやすいようにご回答されたのはなぜでしょうか? 私の設問そのままでは回答はだすことはできませんでしょうか? もし検察官ならこのような暗中模索状態からどういうような訴因でもって起訴するか・・・・ との視点でお答えを頂戴するわけにはまいらないでしょうか?