ニュージーランドだけでなくオーストラリアやカナダでも通貨が上がって、
USドルや円の総合的なレートが下がっているためというのもあります。
2000年辺りは円が高くてNZドルが安かったとも言えます。
日本では慣用的に、1USドルが何円であるかが
円の価値の尺度だと考えられているため、
アメリカのドルのレートが変動したりすると、
為替レートが高いか安いかの感覚が麻痺してしまう面があります。
円安がニュースで騒がれることは少ないでしょうが、
日本の1人当りGDP(為替レート基準)の世界順位が下がったと騒がれたり、
原材料高が激しいと騒がれる原因の1つは総合的な円安もあります。
ニュージーランドの経常収支赤字はGDPの8%近くに達しており、
国際収支の釣り合いの取れるレートという観点では、
もっと下がった方が望ましいでしょうが、
短期的~中期的な動きは資本の流出入に左右されるため、
今後の動きを正確に読むことはできません。
・名目実効為替レート
(対複数通貨を基準を取った為替レート。
2000年=100とする指数、値が大きいほど高い。)
1994年 日86 米77 豪107 NZ109 加103 ユーロ圏101
1996年 日81 米83 豪114 NZ124 加104 ユーロ圏112
1998年 日80 米98 豪107 NZ114 加99 ユーロ圏111
2000年 日100 米100 豪100 NZ100 加100 ユーロ圏100
2002年 日88 米106 豪97 NZ107 加96 ユーロ圏106
2004年 日95 米95 豪117 NZ130 加112 ユーロ圏124
2006年 日85 米91 豪118 NZ125 加128 ユーロ圏122
2008年*日86 米81 豪132 NZ131 加139 ユーロ圏133
(OECD Economic Outlook 83より、2008年は予想値)
・実質実効為替レート
(インフレ率を考慮に入れた対複数通貨の総合的な為替レート。
2000年=100とする指数、値が大きいほど高い。
インフレ率は消費者物価基準。
長期的に上がり続けたり下がり続けたりはしないと考えられる。)
1994年 日104 米85 豪107 NZ112 加109 ユーロ圏119
1996年 日88 米86 豪115 NZ127 加107 ユーロ圏122
1998年 日84 米98 豪104 NZ116 加100 ユーロ圏115
2000年 日100 米100 豪100 NZ100 加100 ユーロ圏100
2002年 日84 米98 豪102 NZ108 加96 ユーロ圏106
2004年 日86 米97 豪124 NZ132 加113 ユーロ圏123
2006年 日73 米96 豪128 NZ129 加126 ユーロ圏120
2008年*日68 米86 豪145 NZ130 加133 ユーロ圏129
(OECDより、2008年は6月時点の実績値で↑とは違う)
・経常収支の黒字/赤字
(貿易収支に他にいくつかを加えたもの。GDPに対する割合。
プラスは黒字、マイナスは赤字)
1994年 日+2.8% 米-1.7% 豪-4.9% NZ-3.9% 加-2.3% ユーロ圏+0.1%
1996年 日+1.4% 米-1.6% 豪-3.7% NZ-5.8% 加+0.5% ユーロ圏+1.0%
1998年 日+3.1% 米-2.5% 豪-4.8% NZ-3.9% 加-1.2% ユーロ圏+0.8%
2000年 日+2.5% 米-4.3% 豪-3.7% NZ-5.1% 加+2.7% ユーロ圏-0.6%
2002年 日+2.9% 米-4.4% 豪-3.8% NZ-3.9% 加+1.7% ユーロ圏+0.6%
2004年 日+3.7% 米-5.5% 豪-6.1% NZ-6.4% 加+2.3% ユーロ圏+1.2%
2006年 日+4.8% 米-6.2% 豪-5.5% NZ-8.6% 加+1.6% ユーロ圏+0.2%
2008年*日+4.4% 米-5.0% 豪-4.7% NZ-7.7% 加-0.2% ユーロ圏+0.1%
(OECD Economic Outlook 83より、2008年は予想値)