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具体的事実の錯誤と併合事実
例えば、Aを殺すつもりで撃った弾がBにあたった場合、数故意説に立つと、AB両方への故意が認定され、Aに対しては殺人未遂罪、Bに対しては傷害罪が認定されると思いますが、もしAにもBにもあたらなかった場合、Aに対しての殺人未遂罪が認定されるにしても、Bに対しても殺人未遂罪が認められるのですか?
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先述のとおり,法定的符合説・数故意犯説においては,結果発生した対象についてのみ故意犯を成立させます。 最高裁判決で,結果発生しなかった者について未遂犯を成立させない理由について述べていないので,あなたがもっとも理解しやすい理由でいいのかもしれませんが, 私は, ・数故意犯説は,行為者が狙ってはずした対象とともに結果発生した対象についていかに行為者に帰責させるかの問題である。 ・行為者がもともと標的とせず,かつ結果発生しなかった者に対して故意を認めるとすれば,どこまで認めるかという,あまりにあいまいな判断を迫られることになるから妥当でない。 と考えています。 ちなみに,拳銃で撃つ事は,十分に殺人の危険性のある実行行為といえるでしょう。
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- kepoku853
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Bに結果発生の危険があれば,「理論上は」認められるのだろうけどね。 ただ,実際に弾は当たってないわけで,Bに危険があるというのは(ぶっちゃけていうと)ピンとこない。 ピンとこないものを起訴するわけにもいかない(万が一無罪になっちゃ困る)わけなので, 現実的にはBに対しては何も罪責は問われないのだろうね。 例として,「人混みに手榴弾を投げ込んだが不発だった」というのも考えたけど, この場合は,最初から「何人死んでもいいや」という概括的故意が認められそうだから, あんまりこのケースで説明することはできないなあと。 あえていうと,単独で歩いている女性に手榴弾を放り投げたが,女性の影には子どもがいて, そして運良く不発弾だったので誰も死ななかったとか。 数故意説なら,子どもに対する殺人未遂も認めるんでしょう。私だったら認めます。
- 17891917
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故意とは,規範に直面したにもかかわらず,あえて行為したことに対する道議的非難です。規範は構成要件により国民に示されます。 故意についての,法定的符合説・数故意犯説(判例)によれば,構成要件故意は,同一構成要件の中で抽象化されます。 本件において,Aを殺すつもりで撃った弾がBにあたった場合、Aに対しては殺人未遂罪,Bに対しても(死亡しなかったら,)傷害罪ではなく殺人未遂罪が成立します。 これに対し,AにもBにもあたらなかった場合、Aに対しては殺人未遂罪が成立する一方で、Bに対してはなんら犯罪は成立しません。 理由は,定かではありませんが,「発生した結果について,いかに行為者に帰責させるのが妥当か」という発想で,問題を検討しているためと思われます。
お礼
なるほど。つまり、「銃弾程度ではBに対する結果発生の危険性が小さいため、帰責させるのは妥当ではない」という理解でよろしいでしょうか。 そして、それをふまえて、私は故意が認められるかどうかの前に、実行行為として「法益侵害を惹起させる現実的危険性」が認められないから殺人未遂罪は成立しないと考えているのですが、どうでしょう??
お礼
なるほど。 つまり、「手榴弾と銃弾なら、手榴弾のほうが結果発生の危険性が大きいため、手榴弾なら殺人未遂財が認められる可能性が高い」という理解でよろしいでしょうか??