(1)家の熱損失(サッシ性能含む断熱性能と計画換気から計算出来る)と日射負荷などから熱負荷を計算(業務用のシミュレーションソフトがある)して、それに見合った能力のエアコンを選べば、能力的にはエアコンで十分です。
発泡ウレタンというだけでは、どの程度の断熱性能か全く分かりませんので、どれだけの能力というのは誰も答えられないでしょう。
大まかには、例えば、断熱性能である熱損失係数が1.5W/m2Kで、相当隙間面積C値が1.0cm2/m2くらいと十分良いとして、冬の暖房エネルギーを考えると、
延床面積120m2、平均内外温度差17℃とすれば、
1.5W/m2K x 120m2 x 17K = 3060W
室温を維持するためには、家全体で約3kWの熱が必要ということですから、2.8kW定格の10畳用のエアコン1台の能力(最大能力は倍近くある)で十分間に合うことになります。
ところが、もっと大きな温度差となりますので、この2倍ほど必要で、さらに間欠暖房だったりすると急速に暖める必要が出てきますので、さらに数倍必要ということになります。
また、このくらい良い断熱性能ですと(次世代省エネ基準の2.7W/m2K以下、5.0cm2/m2以下を上回ります)、全室暖房連続運転での1ヶ月のランニングコストは、
1.5W/m2K x 120m2 x 17K x 24h x 30 = 2203kWh
で、仮にCOP(効率)=5のヒートポンプ熱源でまかなったとすれば、この4分の1の441kWhの電力量が必要です。
電気単価を23円/kWhとすれば、
441kWh x 23円/kWh = 10143円
となり、許容出来るランニングコストとなります。
ウレタンの場合、壁で60~70mmは必要(サッシと他も良いとして)かと推測します。
能力的には、エアコンでも足りますが、暖房の質という点では、輻射熱のパネルヒーター(次点で床暖房)などの全館暖房の快適さにはかないません。
補助的な暖房として床暖房を入れることもあるでしょうが、ヒートポンプと異なり電熱方式のものはエネルギー効率が悪く、ランニングコストもかかるため、お勧めしません。ホットカーペットとほとんど変わらないでしょう。
極小面積かつ短時間運転なら床暖房付エコキュート(ヒートポンプです)もあります。
(2)南面以外の窓ガラスは、遮熱Low-E複層ガラスが良いです。
南面は、難しいところですが、夏は日射高度が高くなり、直射を防げる場合が多いのですが、この場合には、冬の暖かさ、年間冷暖房費を考慮して、断熱Low-E複層ガラスの方が良いかもしれません。
この場合、夏の地面からの照り返しが大きく入りますが、ミラーレースカーテンをすれば半減くらいの感じになります。
(3)ご質問の意図が理解できませんでした。
お礼
無知な私の質問に答えていただきありがとうございます。 数値なども具体的に示していただき大変参考になりました。 今回の質問の根底には快適さも求めたいのですが予算の都合もあり 床暖などにまわす費用を窓を含めた構造費用に持っていきたいという考えがありました。 また(3)の質問に関しては説明不足でした。 私の浅はかな知識で疑問に感じたのですが遮蔽断熱を考えた場合 窓に地域による適正があるように屋根材にも同じく適正があるのかと思いました。 (すいません、これでも通じないかもしれませんね) >南面以外の窓ガラスは、遮熱Low-E複層ガラス >南面は、年間冷暖房費を考慮して、断熱Low-E複層ガラス まったく逆の考えでした。北関東とはいえ(個人的に)寒さはそれほど厳しくはない地域なので温暖化も考慮しつつ 夏の暑さに対応した仕様を考えておりました。やはランニングコストを含めトータルに物事を考えていかないとダメですね。 ミラーレースカーテンなる存在も知りませんでした。 また、熱損失係数や相当隙間面積C値などは設計段階の今、担当の業者(営業)に聞けば出していただけるものなどでしょうか? 重ね重ね教えていただければ幸いです。