私の誤読だったらごめんなさい。
>窒素は液化すると、周りの熱を奪い、冷却する作用
>がありますよね?
ここなんですが、液体窒素が気化するときの気化熱(吸熱)の事でしょうか?
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で、この解釈が正しいとして....。
確かに、液体窒素が気化する際に熱を奪うっていう部分だけを見ると、大気中の熱を吸収出来るんです。
ただ、難しいのはどうやって窒素を液化するか、つまりは「どんなエネルギーを用いて窒素を液化するか?」という点が、現在の製造技術では未解決だからですね。
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例えば....。
窒素の液化の場合ですと、バクッと言うと空気を圧縮して作るんですが、この段階で空気は熱を持つんです。(圧縮熱)
で、この熱を取り除くと液体窒素なり液体酸素なりが出来るんですが、こいつら(例えば液化窒素)が気化するときには、圧縮熱相当の熱しか奪ってくれないんですね。
つまり「液体窒素を気化して大気の熱を奪うことは可能だが、その熱量は、製造段階で発生した熱量以上にはならない」って事です。
もちろん、製造段階で発生した熱を、大気圏外に放出できた場合は、大気圏内の熱としては、気化熱相当分だけ減ってはくれますが.....。
また、製造段階の機械類を動かすための動力が熱損失として出てきますから、トータルで言うと「大気中の熱量は増える」って方向に行っちゃうんですよね。
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でも(偉そうな言い方で申し訳ないんですが)zyabaさんの発想自体は良い物で、それと似た形での温暖化対策は検討されています。
ちょっと蛇足ですが....。
似ている点は「大気中の熱などを用いて、ある物質を合成する」って方法で、結局は、熱を固体(もしくは液体)の形にするって考えなんですね。
荒っぽい言い方をすれば、地表に降り注ぐ太陽光に何の仕事もさせないから大気中に熱が貯まるのであって、一部分でも動力(例えば電気)に変換してやると、その分大気中の熱は下がります。
ただ、動力のままでは保存がしにくい(というか、温暖化を解決するほどの量を保存しにくい)ので、そいつを他の形に変換してやろう、そして、固体や液体なら、保存が楽だから、その形にしちゃえ!!って発想なんですね。
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で、この分野(発想)で、現在最も開発が進んでいるのは、太陽光によるアルコール合成でしょうか?
これは、大気中の炭酸ガスと太陽光発電の電力を元に、アルコールを合成して、これを燃料源にしてやろうって事でして、仮にこれが工業的に成り立つまで成熟したら、それこそエネルギー危機も温暖化の問題も解決出来るかもしれません。
実験室レベルでは既に成功はしていますが、工業レベルまでには、まだ相当の労力と資金と時間が必要です。 しかし、核融合よりは実現の可能性が高い技術でもあるでしょうね。