アメスポマニアです。年俸高騰の理由は3つあります。
1)米国には、才能ある者が巨額の報酬を得ることを許容する
文化があります。スポーツ選手に限らず、俳優は映画一本出演で
10億円の出演料をもらえます。会社経営者は年間10億円の役員
報酬をもらえ、退職時に100億円単位の退職金をもらえます。
よって、スポーツ選手が 10 億円台の報酬をもらうことに
社会的な制限がありません。NBA でも大物は年20億くらいの
高額年俸をもらっています。
2)年俸の財源となるのは、巨額の放映権料です。日本だと
巨人戦が1試合1億円といわれますが、それでも年間70億円に
しかなりません。それに対し米国では5倍~10倍の放映権料が
発生するので、それが資金源となります。
※ちなみに世界一放映権料が高いのはNFLです。年間の
放映権料は 3000 億円を超え、アテネ五輪の全放映権料や
英プレミアリーグ放映権料の 2000 億円を上回っています。
あとは、球団グッズなどの売り上げも米国のほうがはるかに
大きいです。日本だと熱狂的なファンはグッズを買いますが、
ふつうに野球が好きな程度では、プロ野球のTシャツとかあま
り買いませんよね。それが米国だとわりとふつうに着ているので、
売り上げの総額は日本よりもはるかに大きいのです。
3)MLBにはサラリーキャップ制度がありません。これは、
球団ごとに年俸の総額を定めるもので、戦力の均衡と安定経営を
目的に、NFLが導入しているものです。NBAでも契約更新の
場合はサラリーキャップが適用されないという例外はありますが、
一応はチームの年俸に上限があるので、ひとりの選手が突出する
わけにはいきません。
それに対し、MLBは年俸が青天井ですので、資金力の有る
チームはいくらでも給料を払えます。ただヤンキースのような
金満球団があるいっぽうで、年俸最下位のレイズは合計30億円に
すぎず、松井が2人しか雇えません。