各党の予備選挙は、名前こそ選挙ですが、実際には両党が
実施する党代表の絞込み作業です。この“絞込み”こそが、
予備選挙の本質です。
大統領候補というのは党全体にとって重要な存在ですよね。
それを短期間の選挙戦と1回の投票で一気に決める方式では、
1位の候補者でさえ 20% くらいしか票が集まらないかもし
れません。これでは党の総意を代表しているとは言えません。
そこで何ヶ月も掛けて選挙戦を進めることで、下位の候補
から脱落させていくのです。脱落候補を応援していた支持者は、
残る候補者のなかから自分が応援すべき候補を決めます。
そうやってどんどん、候補者をふるいに掛けていくのです。
これはいわば、予選を勝ち抜いていくようなものだと言え
ましょう。大統領レースの決勝戦が大統領選挙本番であり、
予備選挙はセリーグとパリーグの王者を決めるリーグ戦です。
両リーグの王者を決めるには一発勝負よりも、何度も選挙を
重ねていくほうが、党全体の総意を取りやすいのです。
また、全米を対象とした選挙戦が一発勝負になってしまうと、
どの候補も全米各州で遊説する必要があります。選挙費用も
莫大になるし、動員される関係者もものすごい数になります。
それなら、各州で少しずつ選挙を進めていけば、だんだん
候補者が減っていくので、より効率的に選挙が進められます。
党としても絞り込まれていく候補者に求心力を期待できますし、
残った候補者は「 勝ち抜いた者 」として箔が付きます。
なお、大統領選挙の本番は、事実上1対1のマッチレース
なので、一発勝負の選挙でまったく問題がないわけです。
お礼
ありがとうございます。 そうですね。今は2人に絞られてるから「なにをもたついてる」感ありますが、当初は候補者もっといたんでしたね。 ところで、各州の選挙(投票)日はどうやって決められるのでしょう? 本当は、今ではすでに淘汰された候補の支持者がバク大な数いた州が、ずっと後期の投票日程日にされてる州もあるのでは? 初期の投票日程日州が、後期で絞り込まれた候補者を、再び信任投票にかけ、そこでも多数の票が得られれば、「晴れて全米の信任を得た」と言えると思うのですが。 でも、まあ、何人も居る候補者を、イッパツ勝負で選べない訳は納得できました。