コードアレンジに関しては、ある程度は音楽理論的な知識を蓄えた上で臨むのが良いと思います。お約束的な展開や定番のコード進行など、それなりに研究されてまとめられているものも多いので、そうした先人の知恵を借りるのも悪いことではないでしょう。
コード進行のセオリーや作曲の仕方などについて、集中して解説している教則本などもありますので、そうした本を参考にしてみてはいかがでしょうか。教則本といっても、音楽の教科書のように真面目に書かれているものばかりという訳でもなく、文体なども噛み砕いてわかりやすく書かれているものも珍しくありませんので、あまり堅苦しく構えずに気楽に目を通してみるのも良いと思いますよ。
コードのつけ方に関しては、キー(調)を把握して、そのキーの根拠となるスケールからダイアトニックコード群を割り出し、それを基準に考えるとやりやすいと思います。メロディーを先に作った場合には、まずその主旋律が展開しているスケールを突き止め、そこからそのメロディーのキーを取ると良いでしょう。キーが取れれば、それが音遣いの基準になり、見通しも立てやすくなると思います。
コード進行を考える上では、キーとダイアトニックコードを把握するとわかりやすくなると思います。ダイアトニックコードは、キーで特定されるスケールを基準として、そのスケールに含まれる各音程をそれぞれルートとする7つのコード群です。音程差を相対的に数字で表した度数表現で表すと、ダイアトニックコードはメジャーキーでは
I - IIm - IIIm - IV - V7 - VIm - VIIm(-5)
マイナーキーではナチュラルマイナーを基準とすると
Im - IIm(-5) - III - IVm - Vm[V7] - VI - VII
になります。
これらのダイアトニックコードの中で、I(トニックをルートとするコード)はトニックコードと言われ、曲の展開の中心となるコードになり、曲の動きはこのコードに向かって展開し、このコードに至って強い終止感を感じさせるような展開になるのが一般的です。曲の最後のコードはトニックコードになることが多いでしょう。
V(トニックから5度上の音をルートとするコード)はドミナントコードと呼ばれ、展開の中では最も不安定な感覚を感じさせるコードに位置し、トニックコードに結びつくことで強い解決感を感じさせるコードになります。曲のコード進行は、基本的にはこのドミナントコードからトニックコードに進行して終止するのがセオリーといえます。
また、IV(4度をルートとするコード)はサブドミナントコードといい、トニックコードほどではないものの展開の中では安定感があり、ドミナントコードへの展開を用意したり、トニックコードに結びついて終止するという位置付けになります。
基本的に、曲のコード展開はこの3つのコード(トニック、サブドミナント、ドミナント)か、それらのコードの音程構成・響きに近い代理コードによって構成されるものとみると、整理しやすくなると思います。まずは、こうしたコード進行のセオリーなどについて、把握するようにしてみるのが良いと思いますよ。
参考まで。