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教育の課題と展望について
「教育の課題と展望」について(教師について)考えているのですが、知識不足でよく分かりません…。ぜひ、解答・ご意見をお願いします!
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学校教育の問題点に関わって、指導する立場から乗り越えるべき課題とその見通しはどうなのか、という前提で書き込みます。 趣旨が異なるようでしたら補足質問をお願いします。 (1)日本の学校教育の問題点 もちろん複雑で多岐にわたる問題があろうかと思います。 個人的には、その中でも「自己肯定感の不足」「学びからの逃避」の2点を指摘しておきたいと思います。 「自己肯定感の不足」 今の子どもは、地域での集団遊び体験の不足などから、身近な小規模な集団で自分が集団に貢献する体験を持ち合わせていません。 そのような体験が不足すると、自分に自信がもてないために、「傷つけられない距離」を周囲との間にとろうとするようになります。 本音を出さないために、コミニュケーション不全になり、ちょっとしたことで人間関係が大きくゆらぎ、いじめの共犯関係などにしか依存できないケースも多々あるようです。 また、本音を出さず、ストレスをためて、何をやっても自分だけがうまくいかないという感覚を常時持つようになりがちです。 これが深刻になると「自分は役立たずだから生きていてはいけないのではないか」という疑問をもつようになります。 そのために引きこもりになったり、逆に愛情を確かめるためにあえて問題行動を引き起こしたりするようになります。 一方、保護者も核家族化の進行と厳しい労働環境の中で、年長者の教育経験に学んだり、地域はおろか、家族間でさえも十分に相談しあい助け合って子育てする条件が失われています。 そうすると、マニュアルにあっているかどうかで子どもの成長を評価するようになり、ますます生の人間相手の柔軟な関係づくりのモデルがなくなってしまうことになります。 「学びからの逃避」 受験第一主義は今に始まったことではありませんが、学校の勉強と現実社会の接点をつなぐような授業を教員の個人的努力で盛り込むことは年々困難になっていると思います。 テストや受験が終われば忘れてしまうような勉強は、子どもたちにとって「我慢比べ」になってしまっている感じがします。 そのために、学校現場では、「成績」「内申」などで脅迫して無理矢理勉強させるスタイルが主流になっていて、それがまた「脅迫されないときには全力で学びから逃避する」という傾向を生む悪循環になっていると思います。 (2)指導する立場から乗り越えるべき課題 教科指導では、全員が5段階の5をとれる指導をめざすべきです。 生活指導では、子どもの個性に応じて、誰もが主人公になれる活動づくりと、コミニュケーション能力の育成のためのシステムが必要と思います。 そして「何のために学ぶか」にこだわり、「学びを通して集団に貢献する」という体験を積むことにこだわる必要もあるでしょう。 (3)対策と展望 せっかく2002年から絶対評価になったのですから、各種検定のように、身につけるべき学習内容とその水準を具体的に明確にすることです。 そして、全国的に現場の指導者が試行錯誤して標準的な学習目標を練り上げ、かつ、子どもの実態に応じて調整することが必要です。 生活指導でも、典型的な実践はたくさん積み上げられているのですが、教育行政からは敵視されるために、なかなか広まっていないと思います。 民間の教育研究団体に学び、学んだことを交流する意識的な取り組みが重要と思います。 行政があからさまに現場に介入してきている昨今では、見通しは決して明るいとは言えません。 しかし、教育再生会議の無茶な提言には、中教審からでさえ疑問の声が上がっています。 民主党に安易に期待することはできませんが、自公路線に対する国民の反発は当分続くものと思います。 フィンランドの教育は日本政府の進めようとしている教育政策と正反対で、それを取材してきている各種団体の影響が出てくるのもこれからでしょう。 子どものために何が良いのかという視点で論議を広げていけば、決して絶望ということではないということだけは主張しておきたいと思います。
お礼
詳しく解答していただき、自分でも理解することができました。 ありがとうございました!