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黒澤明の『七人の侍』初公開時に朝日新聞が「自衛隊賛美だ!」と批判したのは本当ですか?
会社の先輩と映画の話をしていると、 「黒澤明の名作の『七人の侍』が初公開された時、朝日新聞は「自衛隊賛美だ!戦争賛美につながる!」と言って批判したんだ。 だから、『七人の侍』が初公開時は評価が低かったんだ。」 と言ってました。 私は黒澤映画が好きで、何度も『七人の侍』を観ていますが、どこが自衛隊賛美で、どこが戦争賛美なのかサッパリ分かりません。 朝日新聞は本当にそんなトンチンカンなことを言ったのでしょうか? また『七人の侍』が初公開時は評価が低かったというのは本当ですか?
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朝日新聞がそのような批評を掲載したのかはわかりませんが、”戦争賛美的”な批判があったのは事実です。 というのも、公開は1954年のゴールデンウィークで、54年というと戦争から10年経ってませんし、52-53年には米ソが水爆実験を行うなど、新たな戦争が始まるのではないか、といった風潮がありました。 そんな世相だったので「一見、その内容は再軍備問題にからんだ感もある(読売新聞)」といったこの映画の本質をはき違えた見方をすることも多かったようです。 まあ、農民が一般の市民、責めてくる野武士軍が仮想敵国、で、守る7人の侍たちが自衛隊、って”驚くような想像力”で見てしまったんでしょうねぇ。いま思うと不思議ですが、戦争の臭いがしていた、当時の世相と照らし合わせると、何に付けても批判的に見たがる評論家や新聞各紙は、仕方がなかったのかも?? またこういった娯楽性に富んだ作品は軽く見られがちで、キネマ旬報誌のベスト10では3位でした。 ちなみにイタリアのベネチア映画祭では銀獅子賞を獲得してます。 余談ですが、知人がアメリカの映画館で「七人の侍」をたまたま見たところ、映画終了後、観客たちが「おお、ここに日本人が居るぞ!」と握手を求めてきて、何だがわからず握手に応じたと言っていました。 感激したアメリカの観客たちが、「七人の侍」=日本人が作った傑作と興奮して握手して欲しかったんでしょうね。 それくらい世界の観客を魅了してやまない大傑作だと思います。 また世界の映画学校の教材としても、この作品を揃えてない学校はほとんど無いのだそうです。 TVでイギリスの映画学校で教材として授業をしている様子を見たことがあります。
お礼
毎回ありがとうございます。 映画に詳しい方なんですね。 私にはそんな”驚くような想像力”はありません。(笑) マスコミの異常に飛躍した想像力には脱帽します。 何に付けても批判的に見たがるのは、今も昔も同じなんだなと思いました。 特に朝日新聞は・・・。 では、『七人の侍』の評価は海外からの逆輸入で上がったのいうのも本当なんですね。 『七人の侍』が外国人が見ても、理解しやすいし、分かり易いストーリーですよね。