ビデオテープ→HDDに中々進化しなかった理由ですよね?
今現在の移行中の内容については単にビデオテープがすごい広まってしまったからというのが大きな理由でしょう。一旦広まると、サードパーティ的なその他のサービス(例えばビデオレンタルサービスとか)も含めると非常に大きな市場になります。こういうのは一気に切り替わることはそうそうありません。
ガソリン自動車が電気自動車に中々切り替われないのと同じ理由です。単に技術的には可能というのとそれが市場に当たり前のように流通するというのには大きな差があります。
そもそもテープ時代が非常に長かったという観点から考えれば、
・ハード的な理由
保存メディアとしての大容量HDDが非常に安価になったのはここ数年のことです。DOSの時代は数百MB、Win95-98時代でも10-20GB程度のものです(それでも数万以上します)。100GB単位になって且つそれが1万円程度までになったXP時代からでしょう。
動画データは非常に容量が大きいものですから、高価な10GB単位のHDDでは現実性が無かった。
・ソフト的な理由
動画や音声データはデータサイズとしては、非常に大きいものです。幾ら大容量HDDになったとしても、やはり1時間程度のデータでも10GBを超えるのであれば、取り扱いには難点があります。
これが気軽に取り扱いできるレベルになったのはプログラム的な圧縮技術が向上したというのが大きいです。
例えば音声データでもWAV形式→MP3等になったおかげで、音質的にはさほど劣化せずに容量としては1/10までにできるようになりました。これも98年前後ぐらいに発展した技術です。
動画の場合はそれよりもさらに遅く、数年後ぐらいでしょうか。
この辺の事情はインターネットの発展の歴史とかぶりますが、ホームページに公開された動画データを気軽に閲覧できるようになったのは、ここ数年の話です。
上記のような技術革新が出揃って始めてデジタルデータをデジタル記憶媒体に保存させて、それをそのまま再生させるという仕組みが現実的になったわけで、技術的には10年20年前には可能なレベルにはあったと思いますが、それが一般家庭にまで浸透するほど低コスト化ができるようになったのがここ数年という事情だということでしょう。