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ユーロへの両替 スイスフランへの両替
間もなくヨーロッパ旅行に出かけます。 一般論ではなく、現在の時点で、円をユーロに替えるなら、日本国内で両替するほうがトクでしょうか? 先ほど調べたら、三菱東京UFJのワールドカレンシーショップだと、 1ユーロの値段は CASH:161.99円 T/C:159.49円 です。 また、今回、ユーロ圏でないスイスにも行きます。 ジュネーブとその近郊だけなのですが、ジュネーブでは広くユーロが通用するということを聞いたのですが実際のところどうなんでしょう? スイス・フランへの両替は必要ないでしょうか?
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日本円からユーロへの両替は日本で行う方が有利です。 両替法の有利不利を論じるにはいくつかの為替用語が不可欠ですので、その説明からさせてください。 ・銀行間レート 外国為替市場において、文字通り金融機関間の取引きに使われるレートです。ニュースで「午前の東京外国為替市場は1ユーロ=157円60銭から65銭で取り引きされています」などと報じられている数字は、特にことわりのない限りこの銀行間レートです。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、必ずいくらかの手数料を支払います。 ・公示仲値(TTM) 前出の銀行間レートは株価などと同じく常時変動しており、金融機関でこれを取引の基準に使うと処理が煩雑になります。そこで各金融機関は銀行間レートに代えて「公示仲値」というものを定めて一日を通して適用します(一日に数回見直す金融機関もあります)。レートは各金融機関が独自に決めますから多少のばらつきはありますが、せいぜい0.1%以内の違いです。両替レートはこの公示仲値に一定の手数料を加算することで機械的に計算されます。 繰り返しになりますが実際の両替レートは、公示仲値(またはそれに代わる基準レート)に一定のマージンを上乗せすることで決まります。三菱東京UFJ銀行でのユーロへの両替の場合、現金は公示仲値に1ユーロ当たり4円上乗せ、トラベラーズチェック(以下TC)は1円50銭上乗せです。質問文中に記された数字から逆算しますと、その日の三菱東京UFJ銀行の公示仲値は1ユーロ=157円99銭だったと分かります。 ヨーロッパの両替レートはどうでしょう。ヨーロッパの金融機関や両替商も外国為替市場での銀行間レートを参照して両替レートを決めていますので、日本での両替レートと無関係の数字になることはありません(*1)。基準となるレートは同一視頂いて結構です。ただしその基準となるレートからの上乗せ幅は日本の金融機関と異なります。そしてヨーロッパの金融機関や両替商の上乗せ幅は全般に日本のそれより大きめなので「日本円→ユーロの両替は日本で行った方がよい」という冒頭の結論に至ります。 実際の数字で見てみましょう。以下は2007年6月2日に私が行ったレート調査の結果です。銀行間レートや公示仲値は現在と異なりますが、「上乗せ分がいくらか」という点でご覧下さい。 ●2007.6.2(土) 日本時間09:00 三菱東京UFJ銀行 日本円→ユーロ現金 167.84円 日本円→ユーロTC 165.34円 公示仲値 163円84銭 ●2007.6.2(土) 現地時間15:30(日本時間22:30) フランクフルト空港両替所(*2) 日本円現金→ユーロ現金 179.74円 日本円TC→ユーロ現金 179.74円 基準レート(推定、*3) 163円77銭 というわけで、基準となるレートは実質的に同じで、そこからの上乗せ分の大小によって有利不利が決まっていると分かります。ヨーロッパでは別の場所も含めてこれまでに数回調査を行っていますが、上乗せ幅は5~10%でさらに両替1回ごとに手数料(1~3%くらい)を課すことが多く、日本より有利だった経験は今のところありません(*4)。 ちなみに日本でユーロ現金に両替する場合、上乗せ分が小さいのは三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、郵便局(外貨両替取扱い局に限る)などでいずれも1ユーロあたり4円です。また金券ショップですと上乗せ幅3円~3円50銭程度で両替してくれるところもあります。 ユーロ建てTCは数字だけ見ると現金より有利なのですが、ヨーロッパではTCを直接受け取ってくれるお店は少ないために銀行などでいったん換金する必要があります。そして換金の際にやはり1~3%程度の手数料を引かれますので、最初からユーロ現金で持ち込んだ方がほとんどの場合有利です。 次にスイスでのユーロ使用について触れます。私はあいにくジュネーブには行ったことがなく他の場所(ボーデン湖近辺など)での経験になりますが、その限りでは「意外に通用する」と感じました。観光客向けの店はもちろん、人口数千人の小さな町のスーパーマーケットでもユーロでの買い物が可能でした。 換算は「1ユーロ=1.5スイスフラン」のような固定レートになっています。お店の側が損をしないよう実際のレートより多少「ユーロ安スイスフラン高」側で、かつ計算し易い数字に設定されるようです。お釣りはスイスフランになるので何回か買い物をすれば小銭も作れます。 ただレート自体は繰り返すように「ユーロ安スイスフラン高」で多少不利ですし、日本円→ユーロに両替した分の手数料も二重に払うことになります。1日程度の滞在ならよいのですが、何日か滞在して200フランや300フランといったまとまった金額を使うつもりなら、日本円から直接スイスフランに両替した方がよいと考えます。日本の銀行でのスイスフラン両替レートは現金ですと公示仲値に1スイスフランあたり5円程度上乗せ、スイスフラン建てTCですと1円程度上乗せです。スイスでの日本円現金からの両替の上乗せは5~8円程度と記憶していますが、両替(TC換金含む)1回あたり5スイスフラン前後の手数料を徴収することが多いです。 【まとめ】 1. ユーロへの両替であれば日本で行うのが有利です。基準となるレートはほぼ同じなのですが、そこからの上乗せ幅に日本とヨーロッパで大きな違いがあります。 2. 日本で両替する場合有利なのは、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、郵便局(外貨両替取扱局に限る)などです。金券ショップなどでもう少し有利なレートを出しているところもあります。 3. スイス国内でユーロで支払うことはできなくはありませんが、200フランや300フランといったまとまった金額を使う予定なら、最初からスイスフランを用意していった方がよいと考えます。 *1 公示仲値を決める際に主に参照する市場が日本の金融機関だと東京市場、ヨーロッパの金融機関だとロンドン市場といった違いはあります。しかし各国の外国為替市場のレートは相互に関連しながら変動しており、東京市場での銀行間レートとロンドン市場でのそれが全く懸け離れた値になることはありません。 *2 この両替所ではこのほかに「2.2%+両替1回あたり3.5ユーロ」の手数料が引かれる設定になっていました。 *3 その両替商のその時点でのユーロ現金→日本円現金の両替レート(1ユーロ→147.80円)と、日本円現金→ユーロ現金の両替レート(179.74円→1ユーロ)を足して2で割ることで推定しています。 *4 「日本での両替が有利」は確かに一般論的な部分を含みますが、一方で一定の普遍性を有する結論でもあります。この結論は「日本出発後にユーロが10%以上暴落した」ような場合には覆されますが、その可能性は極めて低いでしょう。
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- Yas-Naka
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こんにちは。 2年間ジュネーブに住んでいました。ジュネーブはスイスの西の端にあり、ちょっと行くとすぐフランスです。 確かにジュネーブでもユーロが使える店はあります。でもスイスフランとの換算レートがかなり悪いです。また小さなお店では使えないこともしばしば、と旅行にきた日本人が行っていました(当方住んでいたので、ジュネーブでユーロを使ったことがないんです)。 円→ユーロ→スイスフランと両替すると手数料がバカになりませんので、日本でユーロとスイスフランと両方準備されてはいかがですか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 職場近くに「ワールドカレンシーショップ」があるので、両方用意するようにいたします。
お礼
すごく専門的かつ分かりやすい解説、ありがとうございました。 仰るとおり、日本で両替することにいたします。