グリセリン筋について
2024年共通テストの生物の問題(第3問 問2)です。
問2 哺乳類の筋細胞の収縮の仕組みを調べる実験1~4を行った。実験の内容とそれぞれの結果を次に示す。
実験に使った材料
・筋細胞をグリセリンに浸し、筋原線維のみにした筋(以下、グリセリン筋)
・筋細胞から細胞膜のみを除去し、筋原線維や細胞小器官は正常のままの筋(以下、スキンド筋)
実験1 ATPと高濃度のCa2+を含む溶液に、グリセリン筋を浸した。
結果 筋収縮が起こった。
実験2 実験1と同じ濃度のCa2+を含み、ATPは含まない溶液に、グリセリン筋を浸した。
結果 筋収縮は起こらなかった。
実験3 ATPと低濃度のCa2+を含む溶液に、スキンド筋を浸した。
結果 筋収縮は起こらなかった。
実験4 実験3と同じ溶液に、スキンド筋をしばらく浸した後、カルシウムチャネルを強制的に開く薬剤を加えた。
結果 筋収縮が起こった。
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この条件で、
「実験4と同じ操作を、スキンド筋の代わりにグリセリン筋を用いて行った」とき、筋収縮が起こる(〇)か起こらない(×)かを選択する問題で、
解答は×(筋収縮は起こらない)となっているのですが、これがなぜなのかわかりません。
グリセリン筋は、私が習った話では、「アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの構造だけが残っている。トロポニンも失われているので、ATPのみで収縮が起こる(Ca2+も不要)。」
(学校の資料でもそうなっています←添付しました)
でもそうすると、ATPを含む溶液にグリセリン筋を浸しているわけなので、実験4では筋収縮が起こるのでは?と思ってしまいます。
ネットでこの問題の解説を探してみましたが、いずれも、そちらでは
「グリセリン筋の収縮にはATPと高濃度のカルシウムイオンが必要」と解釈して問題を解いていました。
この解釈は正しいのでしょうか…?
だとすればこの解釈はどこに根拠があるのでしょうか、、
仮に、グリセリン筋の知識を前提とせず、あくまで実験問題として考えるとしても、
実験1、実験2だけではグリセリン筋の収縮そのものに高濃度のCa2+が必要であるかはわからないはずです。「グリセリン筋の収縮に高濃度のCa2+が必要である」と問題の設定上するならば、「ATPは存在するが高濃度のCa2+が存在しない条件下ではグリセリン筋が収縮しなかった」という実験結果も記しておく必要がある気がします。
なぜ、
「実験4と同じ操作を、スキンド筋の代わりにグリセリン筋を用いて行った」ときに筋収縮が起こらないのでしょうか、教えてください。