スピリチュアルとオカルトや霊能者との違いは単にダークなイメージが払拭されているかどうかだけです。
つまり、仰るように、スピリチュアルはカジュアルに装われているだけです。
スピリチュアルは、死後の世界や霊魂の存在を信じます。
つまり、この世を越えた目に見えない世界やそこでの現象を信じること。
また、特にその世界からのメッセージを受け取ることができると信じています。
これはいわゆるカルト宗教の多くに見られることです。
伝統的な宗教で例えば仏教では、霊魂は存在しないと考えます。
輪廻転生を認める立場の仏教でも同じです。
なぜなら、輪廻転生してしまうのですから、霊魂がそこら辺にあるはずがないからです。
ですので、少なくとも仏教とスピリチュアルは違います。
以前、中学2年生の男の子が飛び降り自殺をしました。
家族とある霊界の話を紹介する番組について論争した結果に起きたことです。
遺書にはこう書かれていたそうです。
「絶対俺は生まれ変わる。もっとできる人間になってくる。家族のみんな忘れないで。必ず帰って来る。」
仏教など伝統的な宗教の多くは自殺をしたら地獄に落ちると考えています。
つまり、自殺は悪なのです。
もちろんスピリチュアルも自殺を肯定はしていないでしょうが、自殺は悪であることをもっとその影響力を考えてテレビ番組で訴えて欲しいです。
とはいえ、迷信や霊的信仰を助長したりするものを放送してはならないと、放送法にはちゃんと定められているようなのですが。
つまり、スピリチュアル番組は放送法違反の可能性がある上に、自殺を促している可能性があります。
ちなみに、群馬県教育委員会の小学生450人へのアンケートで、
Q 人は死んでも生き返るか?という質問に、
YES 13% 生き返ることもある 28%
つまり、約4割の小学生が生き返ると思っているということです。
Q その理由は?という質問には、
「テレビや映画で観た」とのことです。
また、精神科医の香山リカさんによる大学生135人へのアンケートでは、
Q 魂や霊魂があると思うか?という質問に、
YES 61%
Q 前世や生まれ変わりがあると思うか?という質問では、
信じる 56%
スピリチュアルの影響か、それとも元々このような風潮だからスピリチュアルがブームになったのかは分かりません。
しかし、少なくとも迷信やオカルトがはびこりやすい土壌がある事には間違いないようです。
スピリチュアルがブームになる理由には、こういったことも考えられると思います。
それは、みんな「答え」が欲しいから、つまり「ズバリ」言って欲しいからです。
今の人は断定的に言われると安心する傾向があるようです。
例えば、「あなたの行いが~だから、~なんだ」と言った具合です。
しかも、答えが出たところで、それは科学的に実証しようがありません。
ですので、科学的に否定も肯定もできないで、たちが悪いのです。
また、ブームの原因には、「宗教はうざい」からというのもあると思います。
伝統的な宗教は、今ある自分を打ち砕かなければなりません。
現代の人たちは、それがイヤなのです。
自分が変わるのがイヤ、つまり、自分がかわいいからです。
でも、「答え」は欲しいのです。
それはこうとも言えると思います。
教義に縛られたくないけど、答えは欲しい。
ところが、スピリチュアルはあるがままの自分でOKです。
そして、スピリチュアルは、あらかじめ何が良いことで何が悪いことなのかが決まっています。
つまり、楽チンなのです。
しかし、倫理や道徳というものは本来、何が善で何が悪なのかを考えて考えて考えて、それでも考えて、徐々に自分の心の中に確立していくもので、初めから決まっているものではありません。
つまり、答えではなく「問い」を大切にするべきなのです。
スピリチュアルはその過程をすっとばしてくれますが、それに安直に飛び付いてはダメです。
以上、少しでも参考になればと思います。
お礼
感動しました! >答えではなく「問い」を大切にするべき 本当にその通りですよね。 それにしても仏教は霊魂の存在を認めていないとは知りませんでした。 ご回答ありがとうございました。