投資をする際には、その資金が「元本を下回る可能性がある」というリスクを負えるものなのか、また、投資する期間(お金を使う必要のない期間)はどれくらいなのかという二点をはっきりさせる必要があります。
ご質問の中に「株式以外で」という言葉がありましたので、「元本を下回る可能性」を負えない資金だという理解で以下の話をさせていただきます。
元本を下回る、つまり「元本割れ」のリスクを負えないとすると、商品がかなり限定されてきます。株式はもちろん、外貨預金や外貨MMFなどの為替相場の変動が収益に影響する商品は除外されます。最近では、マスコミ等で「株式や投資信託は長期投資する場合にはリスクが少ない」というような表現がありますが、この表現はかなり大雑把で誤解を生みやすい表現ですので、お気をつけください。何故かはご要望があればお答えします。
元本割れのリスクが少ない商品としては、銀行等の定期預金(外貨の物ではないもの)や国債などの債券、あとは債券で運用する投資信託(公社債投信)に絞られると思います。以下では、これらの商品についての説明をさせていただきます。
まず、定期預金ですが、ご存知のとおり満期まで解約しない場合はもちろん、中途解約でも元本割れのリスクはありません。もし、同一銀行に同一名義で1,000万円以上の預金残高となってしまう場合であれば、預金保険の対象外となってしまうため、その銀行が倒産した場合は元本割れの危険性がありますが、1000万円以上なければ大丈夫です。投資期間が2~4年程度であれば預金にしておくことをお勧めします。定期預金の中でもソニー銀行などのネット銀行の金利が高いようです。
投資期間が5年以上あれば、5年物の国債(もしくは5年物の地方債)をお勧めします。国債は定期預金と異なり、満期まで保有せず途中で売却する場合は、元本割れのリスクがありますが、満期まで保有すれば元本割れのリスクはありません。5年未満の国債もありますが、現状の金利ではあまり有利とは言えません。ただ、5年国債もずいぶん金利が低くなってしまっていますけどね(現在で税引後で年間0.3~0.35%)。個人向け社債も比較的有利な商品ですが、発行する企業が倒産した場合、ほとんど元本が帰ってこなくなりますので、気をつけた方がよろしいです。その他では、「新生銀行」の定期預金で有利なものがあります。5年定期で30万円以上必要ですが、年1%の金利となっています。新生銀行は、破綻した旧「長銀」が外資に買収されてできた銀行ですが、いろいろと問題のある銀行です。再度、破綻する可能性がない訳ではありませんが、1,000万円以下の預金残高であれば、預金保険で保障されますので、元本割れのリスクはありません。5年間投資できるのであれば、これが良いかもしれません。
最後に債券で運用する投資信託ですが、元本割れのリスクは少ない商品です。MMF(外貨建てのものではなく、円建てのもの)や長期公社債投信などは、少し前までは預金と比較して有利な商品でしたが、時価会計への移行などにより、有利性が薄れてしまいました。わずかですが元本割れのリスクもありながら、リターンも僅かですからあまりお勧めできません。強いて言えば、新光投信や第一ライフアセットマネジメントが運用する2年間解約不可の投資信託がやや有利かなと思われますが、これももちろん元本保証ではありません。
結論を言えば、投資期間が5年未満であればネット銀行等の定期預金、5年以上であれば新生銀行の定期預金か国債が良いと思います。商品の詳しい説明等の追加アドバイスが必要であれば、気軽にお伝え下さい。
お礼
なんと、具体的でわかりやすい解説なのでしょう。 とても参考になります。 ありがとうございます。 コレを参考に、夫婦で話し合って見たいと思います。 どうもありがとうございました。