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転調が甘いとは?
カテ違いならご指摘ください. 最近,のだめカンタービレというコミックスを購入して,読み進めているのですが,どうしても理解できない点あります. 何巻であるかは忘れてしまったのですが,指揮者(千秋真一)がチェロ奏者に対して「チェロ!転調甘い」と言う場面があります. 転調が甘いという台詞はどういうことを意味しているのでしょうか? ご教示のほど,宜しくお願い致します.
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こんにちは。 アマチュアのオーケストラ経験者です。マンガは読んでます。 そのせりふが何の曲の練習の場面で出てきたのかは覚えていませんが,私は,「何調かちゃんと理解した上で演奏しろ!」という意味だと思って読んでいました。(あてずっぽうですが) 音楽の勉強を専門にしている人ならば,調号が変わっていれば,調が違っている事には気づくでしょうし,調号や臨時記号を落として間違えるような事も普通はないでしょう。 ただ,例えば交響曲などでは,調号が変わらない細かい短時間の転調も非常にたくさんあります。そういうのをきちんと把握しながら演奏しないと,音程のとり方(これは#2さんがおっしゃる音律の問題)や旋律の歌わせ方が不自然になってしまいます。 例えば,G-F-E-D-Cという動きは,ハ長調なら「ソファミレド」,ヘ長調なら「レドシラソ」です。ハ長調ならこれで完全解決ですが,ヘ長調ではそうはならず,どこかフレーズが落ち着く先が他にあるはずで,つまり,楽譜上は同じ音でも,調が違えばフレーズのとり方に違いが出てくるはずなのです。 そういった事を考えずに,ただ音を間違えずに弾いているだけなのを注意した,という事ではないかと思います。 ---(余談)--- 私はトロンボーンを演奏していましたが,純正調の響きを作るためのセント単位での音程調整は頻繁にやっていました。トロンボーンは和音の響きを作るのがオーケストラの中での役割のひとつなので,微妙な音程調整はとても大切です。もちろん,他の管弦楽器も,和音の響きが重要なところでは音程の微調整は行っていると思います。
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- Ta595
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こんにちは。 > なぜF-durに転調すると根音がFではなくGに変わるのか? > 主和音がF-A-CではなくG-B-Dに変わるのか? 2つ目の回答の最初にお断りしておいたのですが,「音名」と「階名」の違いについてはご理解いただけているでしょうか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E5%90%8D%E3%83%BB%E9%9A%8E%E5%90%8D%E8%A1%A8%E8%A8%98 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%8E%E5%90%8D 私の説明不足でしたが,回答文中の「ドレミファソラシド」は私は「階名」として使っています。 つまり,F-durにあっては, ド=F レ=G ミ=A ファ=B (ドイツ語表記です。英語表記ならB♭) ソ=C ラ=D シ=E となります。 >> ハ長調で中心であったCの音は,へ長調に転調すると階名ソの音に, >> C-E-Gの和音は「ドミソ」から「ソシレ」に変わり, F-durの階名で表現すると,Cの音は「ソ」であり,C-E-Gの和音はF-durでは「ソシレ」の役割を持った和音になる,という意味です。 分からない事があればまたコメントください。 別でご質問を立てるのもよいと思います。(その場合,教育⇒音楽のカテゴリがいいかもしれません)
お礼
ようやく突っ掛かっていたものが取れて,しっかりと理解することができました. また,これを機に音楽理論を本格的に学んでみるのもいいかもしれないと思いました. 度々ご回答くださいまして,誠にありがとうございました.
- Ta595
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#3です。こんにちは。 お礼拝見しました。 アルファベットによる音名表記,音名と階名の違いについては理解いただけているという前提で話をします。 (音名・階名については以下をご参考に) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E5%90%8D%E3%83%BB%E9%9A%8E%E5%90%8D%E8%A1%A8%E8%A8%98 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%8E%E5%90%8D 転調するという事は,曲の中心になる音が違う音になるという事であり,ある音の曲の中での位置づけや役割が変わるという事です。 ハ長調の曲なら,Cの音が階名でいうド,C-E-Gの和音がドミソの和音であり,これらの音や和音が音楽の中心となります。中心となる,というとやや漠然としていますが,旋律の動きや和声の進行がCの音(C-E-Gの和音)を目指す,という事です。曲や旋律の終わりにCの音やC-E-Gの音が鳴る事で,聴き手は,「ああ,ひと区切り終わった」と感じます。(したがって,ハ長調の曲は,原則的にはCの音/C-E-Gの和音で終わります。) ヘ長調では,Fの音がドになり,F-A-Cの和音が中心になります。ハ長調で中心であったCの音は,へ長調に転調すると階名ソの音に,C-E-Gの和音は「ドミソ」から「ソシレ」に変わり,これらの音や和音はヘ長調にあっては音楽の中心ではなくなり,違った役割を与えられる事になります。 これを誤解あるいは無視するとなぜ指揮者に怒られるか,という事ですが,例えば,文章での句読点を想像してください。変なところに句読点をつけると,読んでいる人は意味がつかみにくいですよね。(例:変なところで句読点をつけ,たり朗読の隙間をあけたりする。と読んだり聞いたりしている人は意味が,つかみにくいですよ。ね。) もう一度音楽の話を戻すと,ハ長調から他の調に転調した時には,Cの音やC-E-Gの和音が出てきても,そこでフレーズが終わったように演奏してはいけません。(文章の途中に”。”をつけたことになる) 音を間違うのは誤字・脱字のレベルで,それは音大レベルではほぼないと思いますが,転調で生じた音の役割の変化を把握して,適切な抑揚や音量や音程で演奏せよ,というのが指揮者の指摘ではないか思います。 --- もうひとつ,前回の回答では申し上げませんでしたが,「転調の<意味>を演奏に反映させろ」というのもあると思います。 (ここから先はかなりややこしくなりますので,それほど気になさらなくてもいいかもしれませんが) #4さまがご回答のように,調性が変わると雰囲気が変わるのですが,長調から短調(あるいはその逆)という転調でなく,長調から長調,短調から短調の転調でも,雰囲気は変わります。 そして,例えば,ハ長調がト長調に転調する事と,ヘ長調に転調する事は,音楽上の意味が違います(どのように雰囲気が変わるかが違う)。私も音楽の勉強を体系的にした事はないので詳しくは存じ上げませんが,そうした事も考えて,「適切な方向へ」雰囲気を変えろ,という意味もあると思います。 (マンガのせりふにそこまでの意味が含まれているかどうかは分かりませんが・・・) 以上,長文失礼いたしました。
お礼
再度,ご回答下さいましてありがとうございます. 現在,私が疑問に感じていることが当質問の本来の意図とは異なるので, このままこの質問で続けて良いのか分かりませんが,続けさせていただきます. 万一,新たに質問をした方がよいのであれば,ご指摘ください. 私が理解できないことは以下の点です. >ヘ長調では,Fの音がドになり,F-A-Cの和音が中心になります。 >ハ長調で中心であったCの音は,へ長調に転調すると階名ソの音に, >C-E-Gの和音は「ドミソ」から「ソシレ」に変わり, C-durの主和音(和音記号I)はC-E-GでF-durの主和音(和音記号I)がF-A-Cであるにも関わらず, なぜF-durに転調すると根音がFではなくGに変わるのか? 主和音がF-A-CではなくG-B-Dに変わるのか?ということです. 私が根本的に何かを勘違いしてしまっているために分からないのでしょうか? 度々の質問で申し訳ないのですが,ご回答くださいましたら幸いです.
転調は視覚的なものに例えると背景や空気の色が変わったり, 空間の広さが変わったりする瞬間かと思います。 それがパッと一瞬に変わることを要求しているのではないかと 思いました。 作曲者は,そこで一瞬にして空気や感情(曲想)を変えたいので 転調を使っているのですが,演奏者も,その瞬間がそれまでの流れの 続きではなく,ここで変わるということを意識して反応します。 具体的には,演奏者としてはどんなことをするかですが, 一瞬の間(ブレス)を取る場合もあります。間を取るといっても 曲が一瞬止まるわけではなく連続していてます。メトロノームに 合わせていると無理な微妙な一瞬です。弦楽器は呼吸しながら 弓を返しているわけではありませんが,歌うなら,ここで必ず呼吸 するというところは歌っているつもりでブレスの間を取ります。 そうすることで心地よく次のフレーズに入れます。転調の瞬間は そのような間(ブレス)が特に重んじられると思います。 それに合わせて,強弱記号の指示が何もなくても,短調への 転調なら,若干,小さ目にそのフレーズに入る場合もあります。 モーツァルトのピアノ曲で,さり気なく数小節だけ転調している ような箇所で,プロの演奏を聴いていると,そのような表現を しているものもあります。これも微妙な程度で,mp(メゾピアノ)が p(ピアノ)になるというようなものではなく,p から p のままでの 変化です。 間を取らずに突入する場合では和音が決め手になると思います。 (ド・ミ・ソ)が,(ド・♭ミ・ソ)になる場合では♭ミが転調を支配することに なります。その♭ミを和音のバランスとして強調することは重要です。 もし,転調の決め手となる音が弱ければ,すっきりとした転調, 一瞬にして変わる空気を感じにくいと思います。 その和声上,重要な音をチェロが受け持っているなら,チェロに対して 注文がつくと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます. 転調の際に奏者が意識するであろうことが詳細に記されており,たいへん参考になりました. 私自身も,指揮者から「気持ち小さく」「気持ち長めに」ないし「気持ち遅く」などの指示を受けた経験があります. 『指揮者は,作曲者が転調を行うことで伝えたかったことを汲み取り,それを表現するうえでチェロの役割を重要視した. しかしながら,転調におけるチェロの役割をチェロ奏者が果たしていなかったために, 具体的な指揮者の指示は分からないけれども,転調後に「転調甘い」という言葉が出てきた』 ということですね. 非常に分かりやすいご回答,誠にありがとうございました.
- trgovec
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全くの想像ですので念のため 「チェロ」に対して言っているのが引っかかりました。チェロなどバイオリン属にはフレットがありません。ギターや鍵盤楽器は音を出すところが決まっていて「A」の音なら440Hzの決まった音(平均律)しか出せませんが、バイオリン属は同じ「A」でも微妙にずらすことができるわけです。例えばハ長調からヘ長調に転調した場合、ハ長調では「A」は第6音、ヘ長調では第3音です。第3音と第7音はメロディーが上昇するときは平均律よりやや高いと聞いたことがあります。そうすると同じ「A」でもヘ長調の方がハ長調の時よりも少し高くなります。 こういうことを「純正調」というのですが、私はあまり詳しくありません。実際にはもっと複雑なものだろうとは思います。 おそらくこの「純正調」がなっていなく、どんなときも同じ「A」の音を出すようなチェリストが耳障りだと言いたかったのではないでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます. ご回答を拝見して初めて,転調が甘いという台詞が音律についてである可能性に気づきました. 私も回答者さまと同様に純正律,平均律,ピタゴラス音律や中全音律など関する詳しい知識を持っておりませんが, 純正律の長3度の問題など音律の問題を少々伺ったことがあります. ただ,数セントという極細かな精度で音高を保つことは 鍵盤楽器ならまだしも管弦楽器では不可能ではないか?という疑問は残ります. 「音程が悪い」と表現すればいいところをこのように表現されるとは, 作者の方は非常に凝った書き方をされたと考えられますね. たいへん為になるご回答誠にありがとうございました.
- suzukikun
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転調が甘いってあんまり言わないと思うんですが、たとえばハ長調からヘ長調に変わったときにシにフラットがつきますよね。それを忘れて(あんまり無いなぁ)フラットつけ忘れて弾いちゃったとか、もっと音楽的に考えると長調から短調に転調したときに気持ちが長調のままで何となく明るい雰囲気のままやっているとか、そういうことじゃないのかなぁと思います。 ドラマは見たんですけれど、マンガは見てないんですね(すみません) 批評とか読むと音楽的にも正しいことが書いてあるって言ってますけれどもしかして最初の頃だと取材が足りなくて「雰囲気」で書いてしまったのかも知れません。
お礼
ご回答ありがとうございます. 私も調号の読み間違えは考えました. しかし,(1)初見ならいざ知らず練習をした音大生が調号を読み間違えるというようなことをするのであろうか? (2)調号の読み間違えを「転調甘い」という言葉で指揮者が指摘するであろうか? という2点の疑問のために違和感を感じていました. 長調→短調ないし短調→長調に転調して, 長調の雰囲気のまま・短調の雰囲気のまま演奏している奏者を見抜ける指揮者なら本当に素晴らしい指揮者でしょうね. ただ,オケで合奏しているのにも関わらず, 自分だけ曲を異なるように感じている音大生がいるのだろうか? とつい深く考えてしまいます. 調号読み間違え,雰囲気,取材不足と3つのご意見ありがとうございました. 他の多くの方の意見も伺ってみたいのでもう少し締め切らずにいようと思います.
お礼
ご回答ありがとうございます. 確かに臨時記号を用いて調子が変わっているということは多々あり, その際に変調前と同様の弾き方をした場合,濁った和音になりますね. >G-F-E-D-Cという動きは,ヘ長調なら「レドシラソ」です。 >ヘ長調ではそうはならず,どこかフレーズが落ち着く先が他にあるはずで, 誠に申し訳ないのですが,上記2箇所の意味を理解できないので, お時間がございましたら更に詳しく説明していただけないでしょうか? 宜しくお願いいたします.